コーヒーとはちみつと私

【コーヒー&はちみつペアリング研究家】普段、私がコーヒーとはちみつをどんなふうに楽しんでいるかご紹介させて頂きます。

【注意喚起を!ボツリヌス症】乳児ボツリヌス症のまとめ

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昨日、悲しいニュースが出ていました。

 東京都足立区の生後5カ月の男児が、離乳食として与えられたハチミツの摂取が原因とみられる乳児ボツリヌス症による死亡事例を受けてのもの。乳児ボツリヌス症は1歳未満の乳児に特有の疾病で、経口的に摂取されたボツリヌス菌が増殖し、その毒素により発症する。乳児ボツリヌス症の死亡例は全国で初めてとのこと。

 死亡した男児は2月中旬からせきや鼻水などの症状が見られ同20日にけいれんと呼吸不全などの症状から医療機関に救急搬送。約1カ月後の3月30日に死亡した。

 検査の結果、男児の便や自宅に保管していたハチミツ(開封品)からボツリヌス菌が検出され、発症の約1カ月前から離乳食として市販のジュースにハチミツを混ぜたものを飲んでいたことが分かった。保健所は発症から死亡に至る経過などを精査した結果、7日に死亡原因がボツリヌス菌によるものと断定した。

 

 ボツリヌス症とは 

ボツリヌスとはラテン語の「ボツルス」(腸詰め)に由来します。ヨーロッパでは古くから、この菌の毒素に汚染されたハムやソーセージを摂取して食中毒を起こすことが多くこの名前がついたようです。

 

はちみつには極微量ですが、ボツリヌス菌が含まれていることがあります。日本で市販されているはちみつの内、ボツリヌス菌が含まれているものは最大で6.7%と言われています。ボツリヌス菌自体は典型的な食中毒の原因菌で芽胞の形で自然界に広く分布しています。はちみつに含まれているくらいの量を大人が食べても食中毒を起こすことはありません。もし食中毒を起こすようであればこんなに世の中に販売されていることはないですよね。

 

また、はちみつは殺菌力が強いので、ボツリヌス菌は普通の形でははちみつの中に存在しにくいです。芽胞の形ではちみつの中にいると思われます。ようは冬眠している状態です。また、大人は腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)があるので、ボツリヌス菌に対して耐性があります。乳児も1歳になる頃から腸内細菌叢が形成されると言われています。

 

そんな、はちみつの中に含まれている極微量のボツリヌス菌が1歳未満の乳児が食べたらどうなるのか?

 

腸内細菌叢のない赤ちゃんの腸内環境はボツリヌス菌にとって居心地のいい環境です。はちみつの中では冬眠していたボツリヌス菌が目覚めて増殖していきます。発育、増殖したボツリヌス菌が毒素を出すことでボツリヌス症が発症します。

 

日本で市販されているはちみつにボツリヌス菌が含まれているものは1割以下で、仮に含まれているはちみつを少量乳児が食べたとしても発症する確率も高くはないです。しかし発症し今回のような悲劇が起こることもあるので、乳児に誤ってはちみつを食べさせてしまった時は適切に対処しましょう。

 

また、熱にも強く100°で加熱してもボツリヌス菌は死なないので加熱したから大丈夫と間違っても思わないで下さい。

 

ボツリヌス菌の潜伏期間

発症までの潜伏期間が3~30日と長期にわたるので、3日以上続く便秘などボツリヌス症の消化器系の症状が現れないかを継続的にチェックする必要があります。少しでも普段と違う様子があれば小児科を受診しましょう。

赤ちゃんがはちみつを食べたときの対処法

● 口内や体、手についたはちみつを拭く
● 母乳やミルク、水などを飲ませる

赤ちゃんがはちみつを食べた後の注意点

● 生後6ヶ月未満の赤ちゃんは特に免疫力が弱いので、すぐに小児科を受診する
● 生後6ヶ月以上であれば、食後1ヶ月間は症状が現れないか、注意深く様子をみる

 

ボツリヌス症の症状

 

乳児ボツリヌス症になった赤ちゃんの90%が、最初の症状として、5日以上続く便秘になります(※1)。便秘以外の症状としては、以下のようなものがあります。

・母乳やミルクを飲む力が弱くなる
・泣き声が小さくなる
・顔が無表情になる
・体の筋肉が弛緩する(例:頭を支えられなくなる、手足を持ち上げない)

症状がひどい場合だと、呼吸困難や呼吸停止に陥ることもあるため、乳児ボツリヌス症が疑われるときはすぐに病院を受診してください(※2)。

 

参考文献

※1 メルクマニュアル医学百科 家庭版 ボツリヌス中毒

※2 大阪市 乳児ボツリヌス症

192abc.com

 

まとめ

  1. 絶対に1歳未満の乳児にはちみつを食べさせない。
  2. はちみつが原材料に含まれている食品にも気をつける。
  3. 1歳になったからと急にはちみつを食べさせない。体調の良い時に少量ずつ食べさせ様子を見て慣れさせる。
  4. 万一、誤って食べさせてしまった時は赤ちゃんの体調の変化に特に気をつけ、おかしいなと思ったら早めに受診する。その際、医師にはちみつを食べさせてしまったことを伝える。

以上のようなことが大切だと思います。

 

私自身、子供が生まれた頃は周りから小さいうちははちみつを食べさせたらダメだよと聞かされて知りました。

 

出産し、退院するときに注意喚起されていると思いますが産婦人科でもさらにしっかり伝えて欲しいと思います。

予防接種の時。保健所や保健センターなど公的機関で。そして、ママ友同士や新米ママの両親からも「1歳未満は、はちみつ食べさせないようにね。」と声を掛け合って欲しいです。

 

はちみつを販売している店舗でも、売り場の目につきやすいところに注意喚起のポスターやPOPを設置して欲しいと願います。

 

そして、二度と悲しい事故が起こらないことを願っています。

 

ご冥福をお祈りします。