老舗コーヒー器具メーカーのカリタさんが最近妙に熱いです!
私の偏見かもしれませんが10年ほど前は、どこかその”老舗”というところにあぐらをかいているんじゃないか・・・そんな印象を持っていました。
ところが、ここ数年新しい取り組みをされています。
昨年のSCAJ(コーヒーの大規模イベント)でもカリタさんのブースは熱かったです。
カリタ
1958年、東京日本橋で有限会社カリタを創業。喫茶店ブームに乗って業務用コーヒー機器で業績を伸ばす。名古屋、大阪、札幌等への支社・営業所開設にしたがい、家庭用コーヒー機器販売にも参入。1980年代からは欧米の高級コーヒー機器の輸入業務を開始。
環境志向を先取りした形の家庭用無漂白ペーパーフィルターは、同社がいち早く開発したとされる。
アンドカリタ
コーヒーを抽出する時間も楽しもう。豊かな時間にしよう。そんな想いで作られた「アンドカリタ」シリーズ。
どれを見ても、こんな器具を使ってコーヒーを抽出出来たら素敵だろうな。贅沢だな。そんな気にさせてくれます。
ちょっといい時間, ちょうどいい時間。
コーヒーのある豊かな時間。
それがKalitaがつくるもの。
陽当たりのいいリビングで、お気に入りのサロンで、
友人とのランチで、晴れた日のピクニックで。
いつもの日々にさりげなく寄り添い、過ぎていく時を
「ちょっといい時間、ちょうどいい時間。」に変えていく。
だからこそ、”&”Kalita。
あなたの毎日にも、そっとおじゃまします。
TSUBAME(ツバメ)
『Made in TSUBAME』の条件。
2008年にスタートした『Made in TSUBAME』。その名前から、燕市全体の地域ブランドと思われがちだが、実は少しちがう。「燕市と隣接した市町村で成形・組み立て・表面加工が行われていること。製品外観面積の50%以上が燕市内でつくられていること。これらの条件を満たしていないと、ブランド認可はできないんです」と、話す高野さん。その表情には一切の妥協がない。
『Made in TSUBAME』とは、燕のクラフトマンシップが輝く製品のみに与えられる称号であり、同時に、この地でものづくりに携わる職人たちの技と誇りの象徴として息づいている。高野さんの言葉と眼差しから、この地域ブランドの背景にある想いをリアルに感じることができた。
新潟県燕市の「メイド・イン・ツバメ」。その拘りにほれ込みアンドカリタの第一弾としてスタートした『TSUBAME & Kalita』プロジェクト。
こんな素敵な銅のポットとドリッパーで抽出したら優雅な気分が絶対味わえますよね!ちょっとイライラしていても、気持ちも落ち着きそうです。
NARUMI(ナルミ)
銅だけでなく陶器も、もちろんありますよ。
ボーンチャイナが生まれたのは、18世紀のイギリス。一般的な磁器の原料に牛の骨を焼いて灰にした“骨灰”を加え焼成した最高級のテーブルウェアとして、世界の食卓を華麗に彩ってきた。しかし、その製造方法は難しく、量産化することがほぼ不可能だと言われていた。当然、ボーンチャイナの量産化に踏み切る日本の陶磁器メーカーは皆無だったという。
「原料成分を科学的に分析し、焼成温度を調整するなど、何百回も試行錯誤を繰り返しました。そしてようやく、量産可能なボーンチャイナが完成したのです。その独自の製造方法、原料の調合方法で特許を取得。日本で唯一ボーンチャイナを安定して提供できるメーカーとして、1965年にリスタートしました。」たゆまぬ努力と不屈の精神で、功績をあげたNARUMI。その評判は瞬く間に世界へと広がっていき、“NARUMI Bone China”としてブランドを確立していった。
「金属製やプラスチック製と比べて、陶磁器製のドリッパーは重量があります。そのため、持ちやすさが非常に重要。このドリッパーは持ち手部分が“コの字型”になっています。上部に親指を沿えて持つことで、持ち上げたときの安定感が増すように設計にしました。」
また、生産ロスを削減するための工夫もなされているという。「ドリッパーと台座をつなぐ部位のカーブを緩やかにすることで、生産ロスを大幅に削減。これも、デザインと生産管理、それぞれのプロの知見が活かされている証拠ですね。」その努力がかたちとなり、名実ともに自信を持ってお届けできるプロダクトが完成した。
陶器好きには、たまらなく美しい白さですね。
HASAMI(ハサミ)
波佐見焼の誕生は、安土桃山時代。時の大村藩主が、朝鮮から陶工・李祐慶を伴い帰郷したことにはじまる。以来、焼き物がさかんになり、一度に大量の器が焼ける「登り窯」も登場。その一部は、今なお波佐見町の各所で見ることができる。かつて、庶民には手が届かない高級品だった陶磁器。それが「おうち器」になるまで普及したのも、波佐見焼の存在があったからこそ。現在も、この地域で働く約4割以上の方が窯業に携わっている。
「時代のニーズに応えながら、デザイン・機能・品質ともに親しまれる陶磁器をつくる。それが波佐見焼らしさ。記録より記憶に残る陶磁器づくりがモットーなんです」。そう語るのは、大正9年創業の陶磁器卸売会社・株式会社浜陶の黒板伸弘さん。
「約10年前には、よりデザイン性を追求した『HASAMI』ブランドを町ぐるみで立ち上げました。その甲斐もあってか、波佐見町で焼き物修行をしたいという方を含め、若い世代のファンが都会を中心に増えているんです」。
そうして仕上げられた生地は、窯元の工房へ。窯入れを待つさまざまな製品が整然と並ぶ様は圧巻だ。この時点ではまだ、生地に触れるとしっとりとした手触りがある。これを自然乾燥させて約900℃で素焼きしたのち、一つひとつ手作業で釉薬にくぐらせていく。その後、約1300℃のガス窯で約14時間じっくりと焼成すればできあがり。完成品を光にあてると、透けてみえるくらい軽く薄く、美しい。天草陶石の色味と相まって、その佇まいは透明感を感じさせるほどだ。
KIRI(キリ)
2016年夏、Kalitaの新作コーヒーミルが登場する。粉受け部分に高級木材“桐”を使用した贅沢なシリーズだ。注目してもらいたい点は、何と言ってもデザインにある。どこかで見覚えはないだろうか。落ち着いた佇まい、繊細な細工、質感の高い木の風合い…そう、この姿は“たんす”だ。フォルムも引き出しも“たんす”そっくり。黒々と輝く金具がいっそう“たんす”を彷彿させる。
素材、デザイン、装飾…伝統的な家具さながらの存在感を放つ新作は、従来のコーヒーミルとは一線を画していると言えるだろう。そもそも、なぜ“桐”なのか、なぜ“たんす”のようなデザインなのか。その答えは、新作コーヒーミルの生産地である新潟県加茂市にあった。
新作コーヒーミルを手がけているのは、加茂市にある有限会社野本桐函製作所だ。「コーヒーミルをつくるのは、はじめての試みでした。サイズの調整や試作品の製作は何度も繰り返し行いましたね」。そう話すのは、代表取締役を務める野本剛さんである。
早速、製作の工程を見せてもらった。「まずは、桐を製品サイズに合わせてカット。その次に、“ホゾ”と呼ばれる溝を彫っていきます。ホゾは凹の部分と、凸の部分にわかれているんです。これらをすき間なく結合させ、気密性を持たせるんです」。
Oak Villege(オークヴィレッジ)
そして、一番新しいシリーズがオークヴィレッジです。
森と木と人の新しい取り組み。
“日本は資源の乏しい国”とよく言われる。しかし、国土の中で森林が占める割合は先進国の中でもトップクラス。ただ、近年、この豊かな森の資源が使われなくなりつつあるらしい。こうした状況をなんとかしようと、国内でも有数の森林資源を持つ岐阜県の企業が中心となって立ち上げたプロジェクトがある。それが“Neo Woods 根尾の広葉樹活用プロジェクト”だ。この試みの中で発見したのは、良質でありながら“使い勝手が悪い”という理由で製造ラインにすら乗らなかった広葉樹の木々が、素晴らしい素材となることだった。
根尾開発、カネモク、オークヴィレッジ……3社の協業が生んだプロジェクトは、根尾の森以外にも大きな影響を与えていった。「このプロジェクトでは、第1次産業から第3次産業までをひとつのチーム内で完結できる仕組みをつくりました。いわゆる“6次産業”という取り組み。協業が難しい林業分野で “6次産業化認定”を受けている企業や企画がほとんどないのは、実現するためのハードルが高すぎるから」と、オークヴィレッジの佐々木さんは語る。
森さんも続く。「オークヴィレッジには、環境と共生するために創業当初から掲げている3つの理念があります。そのうちのひとつが“100年かかって育った木は100年使えるものに”するという考え方。それが例え規格外であっても、育った期間以上に長く使えるものをつくる。創業当初から掲げているこの精神が、プロジェクトを後押ししてくれたのは間違いないですね。」
素材、町、人、企業・・・素敵なコラボ、これからもカリタさんに期待したいですね。
最後まで読んで頂きありがとうございました。