先日、知人から炭焼きコーヒーを頂きました。なんでも、ミルのダイヤル設定を間違えて極細で挽いたので美味しく飲めなかったからとのことです^^;
20年程前、私はコーヒー業界にはいなかったですが今より「炭焼きコーヒー」という言葉や商品を結構見かけたような気がします。最近は以前ほど聞かないし、実際私も「炭焼きコーヒー」を飲むのはいつ以来か思い出せないくらいです。
炭焼きコーヒーとは
コーヒーの焙煎機には①直火式②半熱風式③熱風式と大きく3つにわけられます。炭で焙煎しようとすると①の直火式の焙煎機でしか出来ません。
焙煎機の違いについては下記リンクにわかりやすく書かれていますので、気になる方はどうぞ。
名前の通り炭を熱源として焙煎したものになります。
稀に、深煎りのものを炭火で焼いたようなという「炭焼風」というのもあるようですが、本来は炭で焙煎したものになります。
炭焼きコーヒーのメリットとデメリット
炭焼きコーヒーのメリット
珈琲の焙煎に限らず、炭火を使った料理全般に当てはまる最大のメリットは・・・「赤外線」ですっ!!
炭火は他の熱源と異なり、強力な遠赤外線を発します。
炭火に手を近づけたときに、じわ~~っと刺さるような熱さ、芯から温まるような熱さを感じたことがありませんか?
それは赤外線による効果です。
つまり、焙煎において以下のメリットがあるといえます。
(1)乾燥に優れており、均一に水分を飛ばせる。
(2)内部まで熱が浸透するため、ふっくら焼きあがる。
「水分抜き」が重要視される焙煎において、これらのメリットは非常に効果的です。
事実、炭火で焙煎した珈琲は焼き上がりが綺麗で、美味しいと言われています。
焼肉を炭火でする時と同じように遠赤効果が得られます。これによって、豆の内部まで均一に熱が入りやすく水分も飛ばしやすいようです。そして豆がふっくらと焼きあがるとのことです。
上手な焙煎士の方が焙煎すると豆はプリッとふっから焼きあがります。私のような普段焙煎していないものが焙煎するとなかなかうまく膨らまないです。炭火で焼くと比較的焙煎士の腕の差は出にくいのかもしれませんね。
炭焼きコーヒーのデメリット
(1)コストが掛かる。
(2)火力の調整が難しい。
(3)十分な焙煎スペースが必要。
ということです。
炭の価格もピンキリで、やはり安価な炭では安定した火力を保てません。
さらに、良質な炭を手に入れたとしても火力の調整は至難の技。
どれだけ炭を足せば、何度上昇するのか?どれくらいの時間で上昇するのか?
そのあたりが全てアナログ(感性、経験)なのです。
しかも、炭火は一酸化炭素を大量に発します。
さすがに衛生、環境面を考慮すると外で焙煎できませんので、十分な焙煎スペースを確保する必要があります。
コストがかかること。そして、微妙な温度調整が出来ないこと。この部分が大きなデメリットでしょうね。微妙な温度調整が出来ないけど、それなりには焙煎出来るということですね。
炭焼きコーヒーを飲んでみました
美味しく飲めないからとくれた炭焼きコーヒーを飲んでみます。
写真ではわかりにくいと思いますが、かなりの極細挽きです。蒸らしを短めにし、通常より注湯速度を早めてハリオV60で抽出しました。
が、極細挽きのため想像以上に抽出液がサーバーに落ちる速度が遅いです。
出来上がったものを、まずは一口飲んでみましたがかなり濃いので少しお湯を足して割りました。炭焼きコーヒーらしい独特の苦味はしっかり感じます。渋味がちょっと強く出ていましたが、それなりには飲むことが出来ました。
炭焼きコーヒーの今後は
今後は?といっても占い師じゃないのでわかりませんが、大きく炭焼きコーヒーが取り上げられることはないんじゃないかなと思います。炭焼きのものを食べると、飲むと体にいい!というのをマスコミが取り上げたら別ですが。
昨今のサードウェーブブームで、焙煎士の方の技術も上がっているし個性豊かな豆も増えてきています。
焙煎士の技術を活かしにくい炭焼きコーヒー。わざわざ炭焼きをやろうという焙煎士は多くないと思います。
そして、個性豊かなコーヒー豆も炭焼きにするとその個性が弱まると思います。
ですので、大きく炭焼きコーヒーが今後伸びるとは考えにくいと思います。
ただ、先日東京ビッグサイトで開催されました食品の展示会「FABEX 2017」でめいらくさんが「竹炭焙煎コーヒー」というものを大々的にご案内されていました。
ハンドドリップで抽出したものを試飲させて頂きましたが、スッキリして飲みやすかったです。
今後の炭とコーヒー
富山県には毎年伐採された竹を有効活用しようとする「富山ささやきプロジェクト」というものがあります。竹や笹を焼いて「ささやき」とは、うまいですね~。
竹林資源を有効活用た商品を開発し、それらの商品で地域おこしにするという素敵なプロジェクトです。
竹やささを焼いた粉末をパンやそばに入れて販売されています。
そして、コーヒーにも入れています。
竹炭パウダーを配合したオリジナルコーヒー。竹炭のちからで抽出中にコーヒー豆の雑味を吸着するため、まろやかですっきりとした味わいが自慢です。豆も専門店のバリスタがエチオピアやグアテマラの農園まで足を運んで買い付けてきた、こだわりのブレンドです。
以前、飲ませて頂いたのですが雑味がほぼ感じられずスッキリしていました。水出しコーヒーに近い感じでした。
富山県以外にも、竹林資源の活用に頭を悩ませている自治体が多いと聞きます。こういった感じで今後は、竹炭を直接コーヒーに入れて飲むというふうにコーヒーと炭が一緒に使われていくかもしれませんね。
コーヒーのシフォンケーキ【紀州備長炭】で焙煎した薫り豊かな炭焼きコーヒーで焼き上げました 02P04Feb17
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最後まで、読んで下さりありがとうございました。