コーヒーとはちみつと私

【コーヒー&はちみつペアリング研究家】普段、私がコーヒーとはちみつをどんなふうに楽しんでいるかご紹介させて頂きます。

【カフェ業界の未来】スペシャルティコーヒーが業界に与えた変化とは? 「NOZY COFFEE」能城政隆氏インタビュー記事

先日「NOZY COFFEE」の能城政隆氏のインタビュー記事が出ていました。内容は「スペシャルティコーヒーが業界に与えた変化とは?」というものです。非常にわかりやすい内容だったので、ご紹介したいと思います。

 

能城政隆氏のプロフィール

 

Profile】 株式会社NOZY珈琲 代表取締役・能城政隆さん

1987年7月生まれ。千葉県出身。大学在学中に、キャンパス近くの湘南台駅前に「のーじー珈琲」を期間限定でオープンさせる。就職活動はするも、最終的に起業を決意し、2010年に三宿にコーヒー豆屋「NOZY COFFEE」を開店。以後、渋谷と木更津にも系列店をオープンさせています。

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doda.jp

 慶應義塾大学在学中にアルバイトをきっかけにコーヒーに興味を持ち、カフェをオープンされました。若干、22歳で株式会社NOZY COFFEEを設立されました。

 

バイタリティがありますし、まだまだお若いのでこれからも日本のカフェ業界を牽引されると思います。

 

スペシャルティコーヒーとは何か?

 

スペシャルティコーヒーとはどんなコーヒーを指すのか? 日本スペシャルティコーヒー協会のホームページでは、以下のように定義されている。

「消費者の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること」

驚くほど曖昧な定義だ。そもそもスペシャルティコーヒーはいつ、どのようにして生まれたのだろうか? 能城さんは「スペシャルティコーヒーという概念が生まれた背景がすごく大切なんです」と語る。

コーヒー文化が発達していった1970年代前半に、アメリカにおいて大量生産、大量消費の時代がやってきた。膨大な需要を補うため、質を問わずに大量に生産したことで、コーヒーの味は著しく低下。若年層を中心にコーヒー離れを招いた。価格競争に巻き込まれた農家も、劣悪な労働環境の中で疲弊していった。

「消費者のコーヒー離れが深刻になったときに、『本当においしいコーヒーとは何か』ということが話し合われ、1978年にフランスの国際会議でスペシャルティコーヒーという言葉が生まれました。その後、アメリカや日本でスペシャルティコーヒー協会が作られ、コーヒーのおいしさを評価する世界的な基準が定められたのです」

コーヒーの質を評価するのは、「カップのきれいさ」「甘さ」「酸味の特徴」「口に含んだ質感」「風味特性」「後味の印象度」「バランス」「好み」の8項目だ。なかでも一般消費者にとって理解が難しいのは「カップのきれいさ」である。

 この基準が定められてから、大きく変わることとなっていきます。

 

採点は産地や農園ごとに行われ、カッパーが80点以上の点数をつけた豆がスペシャルティコーヒーの目安とされる。世界最高峰の品評会「カップ・オブ・エクセレンス」で86点以上を取ったコーヒー豆はインターネットオークションで通常よりも高値で取引されるため、生産農家の待遇改善やモチベーション向上にも役立っているようだ。これまで名前も知られずに埋もれていた小ロットの優秀な生産者たちもどんどん見出されていった。

おそらく、加点方式の評価基準が確立したことにより、バイヤーが美味しいコーヒーを見つけやすくなったのだろう。2000年頃から日本でも少しずつスペシャルティコーヒーの流通が増え、「美味しくて、飲めば社会貢献になる」という認識が広がっていったようだ。

 

スペシャルティコーヒーの登場は、私たちの何を変えたか

 「都内のレストランではワインリストが出てくるお店が増えていますよね。昔の居酒屋は、ワインは赤か白かロゼしか選べないところが多かった。焼酎も、芋か米か麦しかなかった。最近はいろんな銘柄をラインナップする店が増えましたよね。食文化が多様化する中で、コーヒーも『ブレンドください』ではなく、『今はどの産地のコーヒーがおいしいんですか?』と気にする人が出てきました。コーヒーも『たくさんある中から選ぶこと』が価値となる時代が来ていると思います」

 ブレンドには、シングルオリジンにはない味の奥行きが表現できるという良さがあります。

 

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スペシャルティコーヒーが登場してからは、どこの国の、どこの農園のもの。同じ農園で採れたものでも品種が違うものであったり精選方法が違うものを楽しんだりすることも出来るようになりました。

 

昨年、私が出場しましたワタルカップの予選でも農園は同じで精選方法が異なるものがいくつか出ていました。

 

akatra164.hatenablog.jp

 

品質の良いコーヒーをシングルオリジンで飲む機会が増えると、その原産国のもつコーヒーの特徴が捉えやすくなったなあと私は思います。

 

真逆になったバリスタの役割

 

これまでのカフェは、コーヒーの味そのものよりも、居心地のよい空間のほうが重視される傾向にあった。スペシャルティコーヒーの存在が浸透してからは、「美味しいコーヒー」を目的にカフェに行く人が増えてきているという。能城さんによると、消費者の行動の変化と同様に、コーヒーに関わる人にも変化が出てきたそうだ。

「昔のコーヒー鑑定士は、カッピングで『良くないもの』を見つけてはじくのが仕事でした。スペシャルティコーヒーの基準ができてからは、『本当に美味しいもの』を探すのが仕事になっています。バリスタの役割も真逆になっています。以前はお客様に『毎日、同じ味を提供すること』が求められていました。しかし、スペシャルティコーヒーは努力を重ねることでお客様に感動を届けられるので、バリスタは思考錯誤して『その日のベスト』を出すことを目指しています。『NOZY COFFEE』ではバイヤーやロースター、バリスタに対して、マニュアルやレシピを設けていません。スタッフが自ら考え、常に最高の状態を導き出しているからです」

 これが一番大きな変化かと私は思います。

 

欠点をはじいていたものが、いいものを探すことに変わった。

欠点をはじいていると、生産者は欠点豆を出さないように平均的なものを生産すればいい。変にいいものを作っても、反対に「普通とは違う」からとはじかれても困ると、平均的なものを作ることに力を入れていたと思います。

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それが、いいものを探す。加点法なら、もっといいものを作ろう。いいものを作ったら高値で買ってもらえるというふうにマインドが変わると思います。

 

そして、最後に消費者に提供するバリスタも同様に最高にいいものを提供することを目指すと思います。

 

もっと詳細をご覧になられたいかたは、こちらから御覧ください。

www.inshokuten.com

最後まで、読んでいただきありがとうございました。