コーヒーとはちみつと私

【コーヒー&はちみつペアリング研究家】普段、私がコーヒーとはちみつをどんなふうに楽しんでいるかご紹介させて頂きます。

【花粉交配(ポリネーション)に使用されるハチ】ハチの輸入状況とセイヨウオオマルハナバチの悲劇

真偽の程はわかりませんが、アインシュタインが地球上からミツバチがいなくなったら人類は4年しか生きられないと言ったとかいう話を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。

 

アインシュタインが本当にそう言ったということを裏付けるものはないようですが・・・

 

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ただ、本当に地球上からミツバチがいなくなったら生態系が大きく崩れることは間違いないのではと思います。

 

少し前に比べるとCCD(蜂群崩壊症候群)でミツバチが大量に消えたということを聞くことは少なくなったように感じます。ただ、もしかしたらあまり報じられていないだけなのかもしれません。

 

日本国内に目を向けてみると、ハチの輸入量はここ数年で拡大しています。

 

昨年は前年比4.9%増の約348万匹の輸入量となり過去最高だったそうです。様々な要因があると思います。

 

こちらの記事を元にまとめますので、より詳しく知りたい方は御覧ください。

www.sankei.com

 

 

日本のハチの輸入量拡大

ここ数年、ハチの輸入量が大きく増えている要因を挙げます。

熊本地震

花粉交配に使われるのは日本の国内で育てられたミツバチが主流です。それが、平成28年4月の熊本地震で国内の主要な養蜂業が集まる熊本が被災しました。

 

その結果、ミツバチ不足が一気に顕在化しました。

 

熊本で生き残ったミツバチの多くを北海道に移して飼育を始めましたが、今度はその北海道が前例のない台風の連続直撃で被害を受けました。

 

この悲運が重なったことで、国内のミツバチ不足は深刻化しました。

 

ハチの需要増

異業種の大企業による農業ビジネスの参入によってハチの需要が高まっています。

 

大林組や野村證券などがハウス栽培で利用する花粉交配用のハチの需要が増えています。

 

生物農薬の拡大

農薬や殺虫剤の散布回数を減らすために害虫を駆除するコレマンアブラバチの需要も高まり輸入量の増加に寄与しているようです。

 

害虫駆除をしてくれるので殺虫剤の代替となることで「生物農薬」と呼ばれています。

 

その他

ダニによる被害も大きいようです。

 

 え~!ダニがミツバチに何か被害を与えるの?という方も多いと思います。ダニがミツバチの巣箱でどんなふうに広がっていくのかという動画です。

 

 ハチの輸入が増えたことで変わったこと

その前に、このわずか数年で輸入する国にも変化があります。

 

平成26年までは農業大国のオランダからの輸入量が1位でした。近年はコスト削減などを理由に飼育地を人件費の安いスロバキアに移転する動きがあります。

 

28年にはスロバキアからの輸入量が前年比で約3倍に急拡大しました。そして、29年の輸入量の第2位はベルギーで全体の34.7%だそうです。

 

実に9割以上はヨーロッパからの輸入に頼っている現状です。

 

ハチの輸入が増えることでの問題点

 まず、日本固有の生態系に影響が出るのではと懸念されています。

 

平成になってから輸入が盛んになったセイヨウオオマルハナバチがハウスから逃亡し、生態系に与える影響が問題になりました。

 

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セイヨウオオマルハナバチ

北海道を中心に逃亡したハチが野外で繁殖し、在来種の減少や植物への影響を生じさせました。

 

セイヨウオオマルハナバチが輸入された頃はトマトの受粉などで大活躍しました。それが今となっては生態系を破壊するということで害虫扱いです。2007年には北海道で「オオマルハナバチバスターズ」というボランティアによる駆除活動が始まりました。

 

もちろん生態系を守ることはとても大切です。

 

しかし人間の勝手で日本に連れて来られ、今やその人間によって駆除されることになったセイヨウオオマルハナバチは気の毒としか言いようがありません。

thepage.jp

 

そして現在、主に輸入されているのは日本在来種のクロマルハナバチです。

 

クロマルハナバチの輸入量が増えたことで政府はセイヨウオオマルハナバチからの切り替えを促しています。しかし、以前から外来ハチを利用していた人は環境省の許可を得れば使えるため、使い慣れた外来から在来へと転換する動きは進んでいないようです。

 

こうした中昨年、環境省と農林水産省は将来的にセイヨウオオマルハナバチについて生態系保全のため、全廃する指針をまとめました。農家への補助や啓発を進め32年までに外来ハチの利用数を半減することを目指しました。

 

まとめ

今年になってからも、地震や豪雨などの自然災害がかなり多く発生しています。このまま地球温暖化が進んだら、もっと自然災害の発生も増えることは容易に想像出来ます。

 

本当に些細なことでもいいので、何か行動をする時に”より環境に優しいのは”ということを皆が自身に問いかけて行動すれば温暖化の進行を遅らせることは可能だと思います。

 

 最後にマルハナバチの、ちょっとほっこりする動画の紹介です。

 

 最後まで、読んで下さりありがとうございました。