「プーと大人になった僕」観て来ました。
間違いなく、はちみつを好きになっていなかったらわざわざ一人で映画館に行って観ることはなかったと思います。
上映開始から、しばらく経ったこと。田舎で平日のレイトショーということで久しぶりに完全貸切かと思っていたら一組のカップルが上映開始直前に入って来て貸切ならずでした。
入って来たカップルも、映画館の中央にでっかいオッサンが一人でいた姿にさぞ驚いたことでしょう。
主役は”僕”。
”僕”とは大人になったクリストファー・ロビンです。そして”僕”に投影した”私たち”。
忙しく何かに追われるような生活を送っている私たちです。
プーと大人になった僕
(C)2018 Disney Enterprises, Inc.
成長してロンドンで多忙な生活を送るクリストファー・ロビン(ユアン・マクレガー)は、妻子と故郷で過ごすはずだった週末まで仕事でつぶれてしまう。そんなとき、少年時代の親友プーが彼の前に現れ、一緒に森の仲間たちを捜してほしいとロビンに頼む。思い出の“100エーカーの森”を訪ねたロビンは、プーやティガーらとの再会を喜ぶ。
「プーと大人になった僕」懐かしいプーたちとの再会で、主人公と一緒に味わう “大切なもの”のぬくもり
ぬいぐるみの親友と想像力があれば、幼年時代は幸せに過ごせるものだ。「くまのプーさん」を見てそれを知ったという人も多いと思う。A・A・ミルンの原作であれディズニーのアニメーションであれ、「くまのプーさん」に思い入れがある人たちにとって、この映画は素敵なプレゼントとなるだろう。これは、かつて“100エーカーの森”でプーや仲間たちと仲よく遊んでいたクリストファー・ロビンが、昔の親友たちと再会する実写版の続編。クリストファーと一緒に観客たちも、懐かしい友と再会できるからだ。
とにかく幕開けから、ノスタルジーをかき立てる作り。プロローグでは少年クリストファーが寄宿学校へ行くため、プーたちとお別れする場面を再現する。生きたぬいぐるみのプーたちは、アニメーションと原作の両方をバランスよく投影したような姿だ。プーに「僕がいなくても“何もしない”をしてくれる?」「100歳になっても僕を忘れないで」と頼むクリストファー。
ここでのクリストファーは、A・A・ミルンの息子ではなくフィクションの登場人物だ。プーと別れてから恋と結婚、戦争を経験。40代のいまは娘マデリンの父親でもあるのに、ブラック企業の社畜になってしまった。妻子との休暇を返上して仕事に励む彼の元へ、プーはやってくる。もちろんプーはまるで変わっていない。ところが、すっかり変わってしまったクリストファーには再会を喜ぶ余裕すらない。
ここから先のストーリーは、きっと想像通り。「メリー・ポピンズ」のバンクス氏のように、迷子になっていたクリストファーは“100エーカーの森”でプーたち旧友に見つけてもらい、娘の気持ちに気づき、忘れていた大切なものを取り戻すのだ。プロットだけを見れば、緩いし工夫もヒネリもないように思えるかもしれない。しかしここには、会いたかったプーやピグレットやティガーら、それぞれのキャラクターがきっちり描けている。しかもディテールには原作オマージュがてんこ盛りで、それが映画の妙味として利いているのだ。長い時間、“何もしない”をしてきたプーは、プーらしいことをたくさん言う。「おばかさんだなぁ!」と言いたくなるその言葉に、実はクリストファーが見失っていた “人生の真実”とぬくもりが
宿っている。もちろん、あくまでもプーは無自覚。でなければプーじゃない。
というわけで本作はぜひ、オリジナルのアニメーション(と原作本)を楽しんでから見てほしい。見たという人も、もう一度。オールドファンは、エンドクレジットで歌う人物(今年100歳!)の姿にも感涙必至だ。
解説・あらすじ - プーと大人になった僕 - 作品 - Yahoo!映画
クリストファー・ロビンがプーさんに言う「プーの、おバカさん」という言葉に、物凄い温かみを感じました。
まとめ
そして、この映画で一番の鍵となっている「何もしない」。
「何もしない」をすることで”本当にしたいこと”。”大切なもの”が見えてきます。
今、お友達の富沢あすかちゃんが出ている「THE 21」をちょうど読んでいたのですが「超」整理手帳の野口悠紀雄さんも、この誌面の中でタイムマネジメントにおいて重要なのは「いかに用事を入れないか」。「いかに用事を断るか」だと書かれています。
少し前に何かで読んだのですが「やった方がいいことを、やらない勇気」に通じるなと思います。
もちろん、何でも断ればいいというものではないですが「断る勇気」をもっと持ちたいなと思います。
手帳にもっと空白を作れるように「何もしない」を実践し、自分が本当は何をしたいのか。何が大切なのかを見つけて、人生の迷路から抜け出したいなと思います。
「何もしない」してみませんか。
最後まで、読んで下さりありがとうございました。