コーヒーとはちみつと私

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【ハチの賢さと愚かさ】ファーブル昆虫記 第4巻「キゴシジガバチ」に対する実験

小学生の低学年の頃、学校の図書室に行って本をよく借りていました。その頃借りていた本で覚えているのは「ノンタンといっしょ」くらいです。後は、どんなものを借りていたか覚えがありません。

 

中学年から高学年になると、家から一番近い図書館に行って本を借りていました。

 

その頃は伝記などをよく読んでいました。ヘレン・ケラーやマザー・テレサの本などが印象に残っています。小学校の卒業アルバムにプロフィル欄に「尊敬する人」を書く欄があるのですが、そこにもしっかり「マザー・テレサ」と書いていました。

 

仲の良かった友人が子供向けのファーブル昆虫記を読んで面白かったと言っていたのですが、私はそれを読んだ記憶が全く無いので読まなかったのでしょう。

 

「ファーブル昆虫記」には様々な虫について書かれています。もちろんハチについても多く書かれているそうです。

 

ファーブル昆虫記の第4巻第1章に「キゴシジガバチ」について書かれています。

 

ファーブルが行った実験を紹介します。

 

 

キゴシジガバチとは

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キゴシジガバチ

 

ジガバチ(アナバチ)類

[学名] Spheciformes
[分類] 膜翅目(ハチ目),アナバチ群

単独生活をするカリバチ(狩蜂)で、他の昆虫類やクモ類などを狩って幼虫の餌とする。巣は、一般的にはワラなどの管、木部の穴(穿孔性の甲虫などが開けた穴を利用することが多い)を利用する。種によっては土中に穴を穿つものもある。これらの巣に、餌になる昆虫を麻酔した状態で貯え、卵を産み付ける。幼虫は親バチの世話を受けずに育つ。

大きさは小型のものから比較的大型のものまである。狩った餌を巣穴まで運ぶのに適した大きな大顎を持っている。

日本に約300種が知られている。

単独生活性のカリバチは攻撃性はまったくないが、不用意に捕えたりすると刺される。この場合、痛みはかなり激しいが症状はさほど重くない。

名古屋市:アナバチ(ジガバチ)類について(暮らしの情報)

 

キゴシジガバチ

[学名] Sceliphron madraspatanum (Fabricius)
[分類] 膜翅目(ハチ目),アナバチ科

キゴシジガバチ
体長約25mm。体は黒色。前胸背板上の1対の小紋、後胸背板の黄帯などの斑紋は黄色。

泥でつぼ形の巣を作る。クモ類を狩る。

名古屋市:アナバチ(ジガバチ)類について(暮らしの情報)

 

ファーブルがキゴシジガバチに行った実験

第一の実験

キゴシジガバチは泥を粘土のように使い、上手に巣を作ります。巣にはいくつもの小部屋を作ります。

 

その小部屋が出来上がった時にファーブルは実験を行いました。

 

キゴシジガバチは小型のクモを狩り、巣に帰ってきます。そのクモを小部屋に入れると、すぐそのクモの腹部に卵を産みつけます。

 

それから、また次の狩りに出かけます。

 

ファーブルはキゴシジガバチが狩りに出かけた間に、ピンセットを使い先程のクモを引っ張り出しました。

 

次の獲物を捕まえて帰って来た時、空っぽになっている巣の様子を見てキゴシジガバチがどんな反応を示すのか?

 

キゴシジガバチは何事もなかったかのように、最初のクモを捕まえて来た時と同様に小部屋にクモを入れます。

 

次の狩りに出かけるとファーブルは、またこのクモをピンセットで取り出します。

 

その後ハチは2日間、実に20匹のクモを巣に持ち帰ってきます。

 

そして、ついに20匹目のクモを運んできたハチは全く空っぽの小部屋に封をするのです。

 

クモの大きさにもよりますが、ハチの幼虫一匹の食糧としてはクモは2~3匹で十分なはずです。

 

ファーブルは、ハチは不条理を行い、無益のために力を尽くすのかとファーブルは問います。

 

第二の実験

通常、キゴシジガバチは壺の形をした巣の小部屋をいくつか寄せ合わせて作ります。その上から補強をするために、泥を粗塗りし外部を補強します。

 

ちょうど、このハチが小部屋を作って外側の粗塗りをするために、最初の泥の玉を平らに伸ばしているところを見たファーブルは巣全体を剥がしてみました。

 

剥がした跡に泥の輪郭を示す点線のようなものは残りました。

 

巣は暖炉の壁に作っていたので、暖炉の白い漆喰の壁とハチの泥の巣では色がはっきりと異なります。

 

キゴシジガバチは、元の巣があった場所に何事もなかったかのように止まり泥の球を平らに伸ばしていきます。

 

その後、ハチは実に30回往復し泥の玉を運んできて平らに伸ばし上塗りします。

 

巣が無くても、巣があった場所は実に正確に覚えています。

 

まとめ

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 ファーブルは昆虫記の中で昆虫における不条理や愚かさを多数報告しています。本能によって行動する昆虫は細部に関しては”天才”です。

 

しかし、何かしらのアクシデントがあった時にそれに対応する能力はゼロに等しいです。

 

人間には本能だけでなく理性も知力もあります。

 

何かしら、予想もしなかったことが起きた時にそのことに対してどう対処するか。そのことを考えて乗り越えていくことが人間らしさの一つなのかなと、ファーブルのキゴシジガバチに対する実験を読んで思いました。

 

最後まで、読んで下さりありがとうございました。