最近、ほんと嫌になるのが「パッ」と人の名前が出てこない事です。
顔は思い出せるのですが、名前が中々思い出せない。そんなことが度々あります。
つくづく年は取りたくないなと感じる瞬間ですが、確実に年は取ってしまうので出来る限り見た目も記憶力も若さを保てるように悪あがきはしたいところです。
そして、自分ではそんなことないと思いながら増えているかなと感じるのが「思い込み」です。
年を重ねれば重ねるほど色んな経験をします。
もちろん、色んなことを経験することはいいことでしょうしこれからも色んな経験をしたいと思います。
些細なことですが、生まれて初めて食べる食材とかこの歳で初めて食べると嬉しいものです。年を重ねれば重ねるほど初体験は貴重ですね。
ただ、経験則で思い込みだったり決めつけたりということが増えているので気をつけなければと思います。
コーヒーは茶褐色だ。コーラも茶色いぞ。
そう思い込んでいる私にとって面白い記事がありました。
無色透明なコーラは受け入れられない
アメリカ市場ではいつもコカ・コーラと熾烈なシェア争いをしているペプシコーラですが、かつては7UPからも、ペプシコーラを引き合いに自製品の不純物ゼロをアピールした“Uncola”という広告スローガンで攻撃を受けていました。
そこでペプシは1992年にカフェインフリーの無色透明なコーラCRYSTAL PEPSIを販売したのですが、評判が悪く、わずか1年で販売中止に追い込まれてしまいました。消費者には、刺激的な黒い炭酸飲料であるコーラと、純粋なイメージを持つ透明とのミスマッチが受け入れられなかったのです。
Cokeに新しいフレーバーを混ぜたCherry Cokeや、砂糖の代わりに人工甘味料を使ったDiet Pepsiのように、多くの新製品は既存製品をベースに改良が施された「漸進的新製品」です。それに対して、CRYSTAL PEPSIは既存の常識やイメージとかけ離れたイノベーション、機能、属性などを含んでいるので、「革新的新製品」と呼ばれます。
新商品を発売する時に、既存商品と何かしらかけ離れたものを出せば消費者に大きなインパクトを与えられるだろうと思います。
ただ、それがあまりにもかけ離れ過ぎていると受け入れられないようです。
それが「スキーマ一致効果」と呼ばれるものだそうです。
スキーマ一致効果とは
スキーマとはある対象や出来事に関して記憶されている情報や知識で、頭の中に意味的ネットワークを形成しています。新たな刺激(情報)が外から入ってきたとき、それがスキーマとどのくらい整合性があるか(一致度)によって脳の活動量が変わってきます。
不一致であればあるほど驚きをもたらすために、注意のレベルは高くなりますが、理解しようとする努力(情報処理)の量は適度な不一致のときに最大となる逆U字型になります。「ほぼ一致」の場合は予想どおりなので認知努力の必要が少なく、受け入れやすくなります。逆に「極端な不一致」の場合は、あまりの違いから理解する努力を諦めてしまうのです。
なんだか難しくわかりにくいです。
簡単に言えば、自分自身の知識や情報とあまりにもかけ離れていると”驚き”となって記憶や印象には残りやすいですが、その度が過ぎるとそれを理解しようとすることをしなくなり諦めてしまうということですね。
少しわかるような気はします。
「極端な不一致」を回避する「意味付け」
その変化のカギをにぎっているのが、革新的な機能・特徴に対する「意味付け」です。「コーラは黒くて刺激的なソフトドリンク」というスキーマに「透明な飲料」という要素が入ってくると、スキーマとの「極端な不一致」を引き起こします。
そこで「透明」と結び付きの強い言葉、たとえば「天然水」で意味付けをしてやると、それが「適度な不一致」に変わって、「透明なコーラもありだよね」と消費者が感じるようになるのです。
このような「意味付け」のことを心理学の専門用語では「イネーブラー」と呼びます。イネーブラー(今回は「天然水」)は、革新的な機能・特徴(今回は「透明」)の存在を意味的に肯定することによって、「天然水ならばコーラでも透明である」というカテゴリー一貫性をもたらします。
「コーラが透明」というだけでは確かに「なんでコーラが透明なの!?」と、理解に苦しみますがこの例のように「天然水」という言葉を使えば、なんとなく透明であってもいいような・・・そんな気はしてきます。
緑色のビタミン入りコーヒー
カナダのヨーク大学のノーズウォーティーらは「ビタミン入りコーヒー」という、一般的なスキーマと完全に不一致な製品に対するイネーブラーの効果を検証しました。このとき、彼らがイネーブラーとして用いたのは「色」でした。ビタミンは野菜と意味的に強い結び付きがあるため、彼らは野菜の「色」をイネーブラーとして使ったのです。
実験では、ビタミン入りコーヒーとして緑、赤、黒のコーヒーを用意し、それぞれの製品の評価(受容度)を測定することにより、イネーブラーとしての「色」が不一致度を和らげるかを検証したのです。
その結果、黒いビタミン入りコーヒーは通常のコーヒーと比べて評価が有意に低かったのですが、緑や赤のコーヒーではビタミン入りコーヒーの方が、通常のコーヒーよりも評価が高くなりました。つまり、ビタミンと意味付いた色である緑や赤をイネーブラーとして提示することによって、コーヒーにビタミンも「あり」だと理解が促進されたのです。
「ビタミン」と聞くとたしかに私もいわゆる”ビタミンカラー”を想像するので、緑や黄色に赤をイメージします。
だけどですよ!!
いくらコーヒーにビタミンを入れたからと言って、私は緑色のコーヒーを受け入れられないような気がしてなりません。
もっと若い人なら受け入れられるのでしょうか?
思っている以上に、私の思い込みは激しくなっているのか?
頭を柔らかくしたいなと思っているのですが、緑色のコーヒーは・・・
あったら飲んでみたいなとは思いますが、一度きりで終わりそうです。
緑色のコーヒーを2度、3度と飲むことが出来たら少しは頭を柔らかく出来るのか?
捨てようと思っても、なかなか”思い込み”を捨てるのは難しそうです。
最後まで、読んで下さりありがとうございました。