普段、生活をしている中で「熊」という言葉を聞くとみなさんは瞬間的にどんな「熊」を思い浮かべますか?
これが「熊」でなく「くま」や「クマ」だったら、また変わるかなと思います。
「クマ」と言葉で聞いただけなら私はプーさんなどと同じような可愛らしいぬいぐるみのようなものが真っ先に思い浮かびます。
山深いところに住んでいる人でしたら凶暴なクマを思い浮かべるのでしょうか。
人によって、思い浮かべるものにこれだけ大きなギャップがある動物も少ないのかなと思います。
そしてトルコのIbrahim Sedefさんという養蜂家も、そんなクマに悩まされている一人でした。
彼がとった行動はクマを殺処分するわけでもなく、はちみつのテイスティングをクマにさせるというものでした。
トルコのIbrahim Sedefさんとクマ
こちらの動画には、巣箱がクマに襲われている様子やはちみつのテイスティングをさせている様子が紹介されています。
Ibrahim Sedefさんは、巣箱がクマに襲われるようになってから日常的にクマに餌付けをすることを始めたそうです。
パンや果物を与えることが多かったそうです。
彼はパンを与える時に
- 全粒粉のふすまパン
- サワーパン
- 市場で買ったパン
を用意したそうですが、必ずクマはふすまパン⇒サワーパン⇒市場で買ったパンの順に食べたそうです。
こんな感じでIbrahim Sedefさんはクマに日常的に餌付けをしていたそうです。
これが引き金となったのかどうかわかりませんが、その後クマに蜂用の小屋を襲撃されるようになります。
クマも一度その味を覚えてしまうと何度も食べたくなり蜂用の小屋を常習的に襲うようになります。
クマのはちみつテイスティング
Ibrahim Sedefさんも、さすがに頻繁に蜂用の小屋をクマに頻繁に襲われるようになったらつぶやいたと思います。
「くまった、くまった」と(笑)
そして、一つの疑問が湧いてきたそうです。
野生のクマにも、好みはあるのだろうか?
そして小屋にナイトビジョンを設置し、クマのためにトレーに分けて数種類のはちみつを用意したそうです。
先程の動画の中で、最も希少で高価な「Anzer Bali」とラベリングされたはちみつを舐めているのがわかります。
Ibrahimさんははちみつの入ったトレイを移動させて実験を続けます。本当に「Anzer Bali」というはちみつを選んで舐めているのか確認するために。
するとやっぱりクマは「Anzer Bali」を選びました。ほほぅ…。クマは味が分かってらっしゃる…。ちなみに、この「Anzer Bali」がどれくらい高額なものなのかというと、1キロあたり171ドル(約1万8000円)で取引されていて、最も高額なはちみつのひとつなんだとか。
希少で高価なはちみつが”美味しい”と一概には言えないです。あクマでもこの「Anzer Bali」とラベリングされたはちみつがこの野生のクマの好みだったということは間違いないです。
クマの嗅覚は哺乳類最強レベル
だいたい、クマがグルメなのは、ゴミの味を覚えて人里に降りてくる最近の流れからしても明白。はちみつに拘りがあるかどうかまでは分かっていませんでしたが…。
でも、クマの嗅覚は犬の21倍で、哺乳類で最強レベルと言われていますから、はちみつの味が分かったとしても、なんら不思議ではないんです。
犬の21倍の嗅覚って、想像も出来ません。
万が一、クマに襲われそうになったら人間でも不快に感じる匂いを放てばクマが去って行くかもとも思いましたが、そんな危険な目にはあいたくないので私は試しません。
クマへの餌付けは、もちろんダメ
野生動物の専門家は、クマが人間に危険なほど接近する可能性があるため、クマへの餌付けは止めるように呼びかけています。
ただ、2010年のナショナルジオグラフィックの記事では、「クマが人に危害を加えるのは空腹が原因であり、餌を与え続けることで危険度が減る可能性」が書かれているので、一概にこうとはいえないのかもしれません。
嗅覚に優れたクマは人間には基本的に近づこうとしないはずです。
ですが餌付けすることで、人間に危険を与えるほどの距離に入ってくるので絶対にやめなければいけませんね。
まとめ
そもそも、今回クマがIbrahimさんの小屋を襲ったのは餌付けをしていたIbrahimさんに大きな原因があるようにも思います。
クマにはちみつのテイスティングを行ったことで得られたものは、野生のクマが好むはちみつがわかったということだけです。
もしかしたら、この動画の視聴回数で収益を得ているかもしれません。
ただ、いずれにせよ大きな危険が伴うのでクマに餌付けは絶対にしないようにしましょう。
最後まで、読んで下さりありがとうございました。