先に言っておきます。
よくある「喫茶店」と「カフェ」の違いは?というお話しではないです。
『純喫茶とパンの本』という本を見ていました。
純喫茶とパンの本 焼きたて香る、厳選33の喫茶空間へ。 (エイムック)
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ここで出てくる喫茶店は東京と名古屋の喫茶店がほとんどです。
冒頭からしばらくは、東京にある純喫茶で提供されるパンメニューの紹介があります。
どれを見ていても美味しそうで、機会があったら行ってみたいなと思う店舗もいくつかありました。
そしてp.58に『喫茶店ってどんな場所?』というページがありました。
ここでは、様々な方に「喫茶店ってどんな場所?」と尋ねて、その答えが紹介されています。
『純喫茶とパンの本』 ~喫茶店ってどんな場所~
こちらに、答えられている方達の答えをいくつか紹介します。
ワクサカソウヘイ(文筆家)
「”大切な人とお茶をする”という、人生における句読点のような時間を過ごすことが出来る、日常と非日常が入り混じった空間」
文筆家らしい表現の仕方ですね。人によって喫茶店という場所が”日常”である人もいれば”非日常”という人がいると思います。
そうした人たちの生活が交錯する空間ということなのかなと思います。
武内勇(三鷹・コーヒーリスボン マスター)
「自分が”こういう空間であって欲しい”と思う場所」
これは喫茶店のマスターとしての立場から出る言葉ですね。
一国一城の主として、店を切り盛りしているのであれば当然”こういう空間であって欲しい”と、自分の想いを表現できる場所にしたいと思うことは至極当然なことだと思います。
そう思うことが出来る空間で仕事がしたいですよね。
難波里奈(東京喫茶店研究所二代目所長)
「1人でも独りじゃない。いつでもそっと寄り添ってくれる場所」
これは、この本の著者である難波里奈さんの答えです。
私も若い頃、通い詰めた喫茶店ではこんなような場所と同じように思っていました。私の場合は、いつも通っている喫茶店がそうでしたが難波里奈さんにとっては、多くの喫茶店を指して言ってられるはずです。
この10年間で1,700店以上も喫茶店を訪れているそうなので、難波里奈さんにとっては全ての喫茶店が日常であるとともに、初めて訪れるという非日常的な部分が彼女自身の中で交錯しているのかなと思います。
纐纈公夫(神保町さぼうるに通い続けて60年、大屋書房店主)
「一日の中になくてはならない時間であり、場所」
60年通い続けていれば納得ですよね。一日の中だけでなく、纐纈公夫さんの人生においてなくてはならないものに既になっているのではと推測します。
60年通い続けたということは、その喫茶店が60年以上経営されているということなので素晴らしいことだと思います。
都築響一(編集者・ジャーナリスト)
「生活の一部として溶け込み、身近すぎて覚えていないくらいの店 それが、いい喫茶店の条件だよね」
なんだか深いですね。
あまりにも身近すぎて覚えていないくらいの店。
よく夫婦や恋人が長くつきあっていると空気のような存在と例えられることもありますが、この都築響一さんにとって喫茶店はまさにそういった存在なのでしょう。
そして「覚えていないくらいの店」がいい喫茶店の条件だと・・・
コーヒーが特別美味しいとかではなく、覚えていないくらいの店。
自分自身と喫茶店が同調する。ものすごく居心地がいいことを表現されているのだと思います。
私にとっての喫茶店
私にとっての喫茶店も、その時、その時代で違います。
記憶にあるところからたどると・・・
小学生~中学生
この頃は、毎週末家族で喫茶店でモーニングをいただくことが習慣化していました。
小学生の頃は「家族との憩いの場」。
中学生の頃も家族で行っていましたが、精一杯コーヒーをブラックで飲もうと頑張っていた頃なので「背のびする場所」かな。
大学生
高校がとんでいますが、高校生の時はあまり喫茶店に行っていた記憶がないので大学生の時です。
この時は、地元の喫茶店と名古屋駅のアルバイト先の近くの喫茶店にコーヒーチケットを入れて通っていました。
地元と言っても、高校卒業後家族で引っ越したので周りに誰も知り合いもいなかったです。
引っ越した頃、たまたま入った喫茶店が小中学生の時に家族で通っていた喫茶店に雰囲気が似ていて妙に落ち着いたので通いました。
父も、この喫茶店にはずっと通っていて一週間に10回以上通うことが多かったようです。多い日には、モーニング、ランチ、夕食と3回行っていたようなので父にとっても居心地が良かったのだと思います。
アルバイト先の近くの喫茶店。アルバイトの休憩中にコーヒーが飲みたかったので近くの喫茶店でどこか良さそうなところはないかと一通り周辺の喫茶店に行きました。
決め手となったのは、一番ウエイトレスの女の子が可愛かった喫茶店にチケットを入れました。
ということで、この頃の私にとっての喫茶店は「青春」かな。
20代
就職した頃は、ほぼ毎日のように昼ごはんは喫茶店で食べていました。
そして、休日は実家に戻って来ても彼女(妻)とのデートでやはり喫茶店によく通いました。
デートの時に行く喫茶店と、一人で行くときの喫茶店はやっぱり選ぶ店が全く異なりました。デートの時は、それなりに女の子ウケしそうなところを選ぶことが多かったです。
仕事中に行くか、デート中に行くかしかなかったので「天国と地獄が味わえる場所」でしょうか。どちらが天国かは、もちろんデート中ですよ(笑)
30代
この頃は、転職しコーヒー、喫茶店と関わる仕事となりました。
コーヒー屋に入ったのは、コーヒーも好きだったのですがそれ以上に喫茶店が好きだったからです。
ただ、それが仕事になると不思議と喫茶店に行く頻度が減ってきました。
この頃は「喫茶店=お客様」という意識が強すぎたのかなと思います。
もっと、肩の力を抜けば良かったのにと今になって思います。
40代~今
今は、また喫茶店に行くことが増えてきました。
同じ店には通っていません。ずっとここに通いたいなと思える喫茶店を見つけることが課題です。
もちろん、スターバックスやドトールにもよく行きます。
スタバやドトールを利用する時は、パソコンを開いて仕事をするときが多いです。
喫茶店を利用する時は、手帳やノートを広げて自分と向き合うことが最近多いです。
だから、今は喫茶店に行く回数が増えれば増えるほど充実した時間を過ごせるような気がします。
手帳やノートを広げるだけなら、スタバやドトールでもいいのでは?と思われるかもしれません。
もちろんいいですし、私もすることもあります。
ただ、喫茶店の照明のトーンやシートの高さやクッション。聞こえてくる人の声。そういったものが、自分の中で心地よく自分と向き合うことが出来るような気がします。
今の私にとって喫茶店は「自分と向き合う場所」です。
あなたにとって、喫茶店はどんな場所ですか?
最後まで、読んで下さりありがとうございました。