「サクラ印ハチミツ」に、基準値を超える除草剤成分「グリホサート」が混入
国内トップシェアを誇る「サクラ印」の加藤美蜂園本舗。週刊新潮が大手スーパーマーケット数店舗で購入した「加藤美蜂園本舗」製のハチミツ5本のうち、「サクラ印ハチミツ」を含む3本から基準値超えの結果がでた。
なぜ、わざわざ週刊新潮がこのようなことを行ったのかがまず気になってしまいますが5本のうち3本からグリホサートの基準値超えの数値が出たというのは残念です。
検体数が少ないですが、ここだけの結果からすると60%が基準値超えだったわけです。
昨年からニュージーランドやアルゼンチンなどでも基準値を超える農薬の検出ということが出ています。
もちろん基準値を超えるグリホサートを含むものを販売してしまったことは決して良くないことです。ニュースで大きく取り上げられて然るべきことかと思います。
ただ、今回の加藤美蜂園本舗の隠蔽体質が表に出たことがことをさらに大きくしてしまっています。
実態を把握しながら“隠蔽”
国内トップシェアの「サクラ印ハチミツ」に、基準値を超える除草剤成分「グリホサート」が混入していることが週刊新潮の取材で分かった。しかも、メーカーの加藤美蜂園本舗がその実態を把握しながら“隠蔽”していたことも明らかに。“隠蔽”会議の音声データを入手した。
問題の会議が行われたのは今年2月2日。音声データからは、加藤美蜂園本舗の取締役営業本部長の次の言葉が確認できる。
〈社長、取締役営業本部長、グリホサート混入しながらまだやってる。検査結果を使い回しにしている〉
〈私は回収はハッキリ言ってしたくないというのが現状です。(中略)食品衛生法からいったらアウトです〉
「グリホサート」とは、世界中で広く使用されている除草剤の主成分だ。2015年には国際がん研究機関(IARC)が「ヒトに対しておそらく発がん性がある」とし、危険度を示す5段階評価で2番目に高い「グループ2A」に分類。そうしたことから世界中で規制強化の動きが広がっている要注意成分である。
【独自】トップシェア「サクラ印ハチミツ」に基準値超えの発がん性疑惑農薬 役員らは隠蔽(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース
その時の音声データです。
誰だって自分にとって不都合なことが発覚したら、出来ることなら周りにバレないようにしたいと思うのはごくふつうのコトだと思います。
子供がおねしょをしてしまったら、出来ることならお母さんにバレないようにしたい。
毎月のように発覚する芸能人の不倫騒動も、皆さん当然バレないようにしたい。
子供のおねしょなら、家族にちょっと迷惑をかける程度。これくらいのことなら、子育ての一環でことは済みます。
芸能人の不倫発覚となると、その家族はもちろん所属事務所やスポンサーなどかなり多くの人に迷惑を掛けてしまいます。ただ、当の本人たちもいい大人なのだからそれぐらいのことは承知していることだと思います。
ではなぜ不倫をしてしまったのかというと「バレなければ大丈夫」という考えがあったのかなと思います。
今回の加藤美蜂園本舗の隠蔽は、これらのものとは比較にならないほどの多くの企業や人に迷惑を掛けます。
業界トップシェアを誇っているので、相当な規模です。
加藤美蜂園が厚生労働省へ届出した35 SKUのうち、23 SKUについては自社ブランド(NB)のサクラ印だ。残りの12 SKUについては大手小売のPB(プライベートブランド)など、別ブランドなのだった。ここにはセブンプレミアムやCO-OPなども含まれるが、10月20日11:06am現時点では、後述する小売各社の公式サイトには自主回収の告知は出ていないもようだ。厚生労働省の自主回収報告は、申請してから公開されるまでに日数がかかるが、自社サイトならタイムリーに告知できるのではないだろうか。
セブンプレミアムやCO-OPも グリホサートはちみつ加藤美蜂園自主回収35製品に わさびは全25社に(井出留美) - 個人 - Yahoo!ニュース
大手小売各社の多くが関わってくる事態となっています。
当然、加藤美蜂園本舗の経営陣たちも今回のようなことが起きたらこのような事態になることも考えられたと思います。
企業として危機管理マニュアルの作成などはしていなかったのかはわかりません。
ただ、業界トップシェアを誇っていることでの慢心が「もし、表に出てももみ消せる」くらいに思っていたのではと疑いたくなるようなお粗末なものです。
加藤美蜂園本舗さんの商品を「サクラ印なら大丈夫だよね」と支持し購入していた人たちを裏切る結果となっています。そして、その後の対応がさらにそういったファンを、がっかりさせてしまっています。
食品を扱っていたら、管理などしっかりとしていても加藤美蜂園本舗さんくらいの売上規模を誇れば全部完璧に管理するのが不可能なことはわかります。
結果として、残留農薬が基準値を上回ったものが検出されるということも多くの消費者ならある程度の理解は示してくれると思います。
そのことが発覚してから、自社サイトでまず早急に自主回収の呼びかけを求めるなどの真摯な対応を取ればここまでことは大きくならなかったと思います。
今回、今の時点で残っているのは「隠蔽しようとした事実」と〈昨今、厚生労働省において、はちみつ中のグリホサートの基準値を0.05ppmとすることについてパブリックコメントを募集したとの情報に接しております〉との、「しょうもない言い逃れをしようとした事実」です。
今回のことで今後何かが大きく変わるのかどうかはわかりません。
ただ、個人的に願いたいのは業界トップを走る企業としてしっかりとしたプライドを持って欲しいということです。
サクラ印のナショナルブランド商品や小売店のプライベートブランドなど、かなりの量を流通させているので、ほの大部分を今後他が取って代わるというのも難しいと思います。
幸い、多くの消費者の方たちは「はちみつ」に圧倒的に多くのポジティブなイメージを持っていると私は感じています。
そんな消費者の人達に今後「はちみつを扱う企業や人たち」に対しても「正直」「真摯」などポジティブな印象を持ってもらえるような企業体質の改善と、そういった面で業界No.1のリーディングカンパニーとして模範となり、日本のはちみつ業界を牽引していって欲しいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。