名前には理由があるはず
友人に「深冬(みふゆ)さん」というお名前の素敵な女性がいます。
恐らく12月から2月生まれなのかなと思い、出会った当初にお聞きしたら正解でした。
そして、彼女は東北で生まれ育ちました。
今は愛知県にいらっしゃいます。
これだけの情報で、皆さんはどのような女性を想像しますか。
私は間違いなく、寒さにめっぽう強い人だなと思いました。
ところが、冬になりだした頃彼女を見ると、いくらなんでもまだ早いんじゃないというくらい服を着込んでいました。
真冬になったら、これ以上どうやって服を着るんだというくらい着込んでいました。
お聞きすると、相当な寒がりのようです。
完全に名前負けしたパターンですね(笑)
ただ、生まれた時期は寒さが厳しい冬深い時期に生まれのは事実のようです。
人の名前だけでなく動物や植物、物にもその名前にしっかりと意味があるものが多いです。
ただ、先程の深冬さんの例のように「ちょっと名前と違うんじゃない」という花があります。
それが向日葵(ひまわり)です。
ひまわりと太陽の関係
ひまわりは、その漢字が意味を示しているのではと思わないですか。
花が太陽の方を向くから向日葵なんだと思わないですか?
ひまわりは、しっかりと開花するまではその漢字の通り花が太陽のほう向いているそうです。
しかし、しっかりと成長し開花する頃にはひまわりの花は東を向いたままだそうです。
ひまわりが成長すると茎が太くなり、徐々に太陽を追いかけることが難しくなるというのが定説です。
そして、成長しきったひまわりはずっと東を向いたままになるそうです。
そこには、ひまわりとの密接な関係があるようです。
ひまわりとミツバチの関係
ミツバチのようなポリネーター(花粉媒介者)は、より温度が高い花に飛んでいく傾向があるそうです。
さらに、温度が上昇すればするほどたくさんの花粉が放出されるそうです。
ひまわりは、主たるポリネーターであるミツバチが活発に活動する午前中に自身の温度が上がるよう太陽の方を向くようです。つまり、それが東側というわけです。
ミツバチが活発に活動する時間帯に温度を上げることが、最も効率よくたくさんの花粉をミツバチに運んでもらうことができますからね。
これはミツバチにとっても、効率よく花粉を運んでいくことができるので嬉しいですよね。
ひまわりの名前もそうですが、ひまわり自身も本当によくできていますよね。
ひまわりが東を向くとミツバチがたくさん花粉を運ぶという実証実験
何かを行っている理由を解明する方法の1つは、状況を変えてみることだ。ひまわりが東を向いているのなら、西に向けてみればいい。そのとき違いがでれば、それが東を向いている理由を説明してくれるはずだ。
そこで米カリフォルニア大学デービス校をはじめとする研究グループは、実際にそうしてみた。
まず最初に判明したのは、東向きのひまわりの方が、朝にミツバチをたくさん引きつけることだった。だがそれ以外の時間帯は特に変わりなかった。このことは朝の時間帯が鍵であることを示唆している。
また東向きのひまわりは30分ほど花粉を放つ時間が早かった。この時間差は群がるミツバチの数がピークに達する時間帯と一致していたという。
さらなる分析によって、こうした違いは花の温度と関係していることが明らかになっている。花粉が放出されるのは、太陽によって花が暖められたときなのだ。
試しに西向きのひまわりを人工的に温めてみると、東向きのものと同じように花粉を放出したという。
だが面白いのは、人工的に温めても寄ってくるミツバチが増えたりはしなかった
ことだ。
その理由ははっきりしないが、研究グループの推測によると、太陽の紫外線が関係しているそうだ。ミツバチは紫外線を見ることができる。だから太陽の光を浴びているひまわりは、ミツバチの目にはより目立って見えると考えられるのだ。
そして人工的にひまわりを温めると、花粉の放出は増えるけど寄ってくるミツバチの数は増えなかったというのも興味深いところですよね。
こうした違いは、ひまわりにとっては非常に重要であるようだ。東向きのひまわりは、西向きのものに比べて、重たい種をたくさん実らせるからだ。
それだけでなく、放出した花粉も成功しやすい。周辺のひまわりの遺伝子を解析してみたところ、東向きのものの方がたくさん子孫を残していたことがわかったのだ。
そんなわけでひまわりが東を向くのは、子孫を残すために有利な条件を得るためであるようだ。
動物や植物にとって、最も重要なことは子孫を残すことです。
ひまわりが十分に成長した後、東を向きっぱなしになることは自分たちの子孫を残すためなのですね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。