人間だけじゃない。ミツバチもウイルスに苦しんでいる。
私たち人間は今、新型コロナウイルスの対応に苦慮していますがミツバチたちは私たちの比ではないくらい高い感染率でウイルスが広まっています。
日本養蜂協会の調査では、国内で飼育されているミツバチの内なんと98.9%のミツバチたちがチヂレバネウイルスなどに感染していると報告がありました。
ミツバチもウイルスに感染しているものは多いのだろうなとは思っていましたが、ここまで多いとは思いもしなかったです。
人間が見習うべきミツバチの生態
5,000年前には養蜂も始まっていたと言われています。
そして、人間が口にする主要農産品の70%程はミツバチをはじめとしたポリーネーターと呼ばれる花粉媒介者のおかげだとも言われています。
そんなミツバチたちは、長い歴史の中で天敵に打ち勝ってきました。
セイヨウミツバチは、スズメバチが集団で巣を襲撃すると、入口に集結して果敢に戦いを挑みます。スズメバチに複数で飛びかかり、取り囲んで体で締め付けて窒息させようとします。この攻撃は、ヨーロッパやアメリカ大陸に分布する小型のスズメバチには有効なのですが、大きくて力の強いオオスズメバチにはふりほどかれてしまいます。
オオスズメバチのいないヨーロッパ由来のセイヨウミツバチには、オオスズメバチに巣を襲われた際の対抗手段がなく、人間に守られなければたちまち巣ごと餌食になってしまうのです。
ところが、オオスズメバチと共生しなければならないニホンミツバチは、進化の過程で彼らの攻撃を跳ね返す有効な技を発達させました。
ニホンミツバチは、先鋒のオオスズメバチが巣の入口に近づくと、慎重に周囲に集結し、オオスズメバチと距離をとって円陣を作るようにとり囲みます。オオスズメバチが、円陣のうちの一匹に飛びかかると、その一匹は犠牲になりながら、警報フェロモンである酢酸イソアミルを放出します。すると、他のニホンミツバチが一斉にオオスズメバチに飛びかかり、あっと言う間にオオスズメバチを包み込む「蜂球(ほうきゅう)」を形成します。ニホンミツバチたちは羽根をふるわせて体温を上げ、5分ほどの時間で蜂球内部の温度と湿度を上げます。蜂球の内部はほぼ46℃、湿度90%に達します。さらに4%の濃度の二酸化炭素を含む呼気を排出し、とらえたオオスズメバチの運動機能を低下させます。高温・高湿度・低酸素の状態にして、オオスズメバチの命を奪うのです。
凄いですよね!大きくて凶暴なオオスズメバチに1匹では敵いませんが、1匹が仲間たちのために犠牲を払って集団で天敵であるオオスズメバチを撃退します。
普通では敵わない敵に対し、知恵を絞り仲間と協力することで子孫繁栄してきたミツバチ。
このあたりが、ミツバチは社会性が高い生き物と言われるところなのかなと思います。
私達も見習うべきところがミツバチには、まだまだたくさんありそうです。
そんな賢いミツバチなら、きっとウイルスの脅威も跳ね返してくれると信じたいです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。