世界と闘う人
世界中を渡り歩いたり、世界中の人たちと闘う人。
ビジネスの世界にいる人。アスリート。音楽や芸術の世界で。いろんな人たちがいます。
ただ、その人がいる業界が違ってもやはりその人の考え方であったり行動力など、世界で闘っているような人たちのことは、なかなか真似ができないところが多いと思います。
でも、そんな人たちの実体験や考え方、今後どのように考えているのかなどお聞きするだけで勉強にもなるし、刺激を受けます。
丸山珈琲・丸山健太郎氏
1991年に、当時はたいしてコーヒーが好きでもなかった丸山健太郎氏は長野県軽井沢に1店舗目をオープンにしました。
その後、コーヒーの焙煎にはまりさらには、コーヒー豆の産地に足を運ぶようになりました。
当時の丸山健太郎氏は「自分は日本ではなく世界と戦っている」と意識が芽生えてきたそうです。
ただ、丸山氏がコーヒー豆の生産国に足を運んだときにはもちろん欧米では既にコーヒー豆の生産から流通までの仕組み化ができていました。
大きな資金力と、卓越した交渉術もあります。
そんな欧米諸国と真正面で戦う事はあまりにも分が悪いので、「自分の力でできることをやろう」と考えてこられたそうです。
そんなことが書かれているインタビュー記事があります。
この記事で特に印象に残った部分
サステナブルなビジネスをやっていくために
丸山珈琲と聞くと、浅煎りのシングルオリジンをたくさん売っているようなイメージを持つ方も多いと思います。
ただ実際には、そういった商品はほんの一部だそうです。
丸山珈琲を支えているのはブレンドや深煎りの豆を好んで買っていただいているお客様だそうです。
コーヒーの生産者との良い関係を作り、その関係性を持続的なものにしていくためには丸山氏がこだわりたかった浅煎りのシングルオリジンと言うものを押し付けるわけにはいきません。
サステナブルなビジネスをやっておこうと思ったときに、自分のこだわりを押し付けず深煎りのコーヒーやブレンドコーヒーを中心に販売していったそうです。
なぜなら、その方がたくさんコーヒー豆を販売することが出来る⇒たくさん生産者に還元することができるからですね。
真に生産者のことを思えば、丸山氏の考えに至るんだなと思います。
大手が低価格で参入
2014年にセブンイレブンがカウンターコーヒーをスタートさせました。
それから、多くのコーヒー業界の人たちはこう思ったでしょう。
「コンビニが100円でコーヒーを売るので商売が厳しい」「低価格で販売する大手に勝てるはずがない」
そう悲観的に考えた人が多いと思います。
丸山氏はどう考えたのか。
なぜスペシャルティコーヒーの市場は大きくなったのでしょうか?コンビニの影響がとても大きいですね。2014年にセブンイレブンさんがコーヒーを売り始め、その後追随するように他社さんも売り始めましたよね。多くの方が「コーヒーは全部同じでしょ」と思ってたのが、「私はセブンイレブンが良い」「私はファミマがいい」あるいは「私はマクドナルドのコーヒーが好き」と比較するようになった。大手が業界に低価格で参入してきたことで、違いがあるんだという意識が消費者に芽生えたのは非常に大きかったと思います。
還元していきたい
これまでは狂ったように産地に行って、狂ったようにコーヒーをテイスティングして、人間関係を作ってきました。それがコロナウイルスによってクールダウンの期間があり、冷静に振り返ってみるとすごく良い体験をしてきたなと。知識ではなく体験ですね。丸山珈琲はありがたいことに会社としてある程度形ができてきたので、変なことをしなければ順調にいくと思います。
多くの方にコーヒーを賞賛いただき、生産者の方からもありがたい言葉をたくさんいただきました。バリスタの世界チャンピオンや日本チャンピオンも育て、そういった意味では非常に満足しているので、昔のような自己顕示欲は落ち着きました。
なのでこれからは自分が体験したことをコーヒー業界や他の業界に還元していく番だと思っています。生産者と良い関係を構築して、良いものを仕入れ、販売するというのは決してコーヒーだけではないですよね。その体験から学んだことを還元していくことで色んな方のお手伝いができたらいいなと思っています。
人の役にたとう。他の若い人たちに還元しようと思ってもしっかりとした経験や実績、バックボーンが無いことには、出来ません。
もちろん、丸山健太郎氏にはそういったものが十分すぎるほどあると思うので還元していただき、それらが日本のコーヒー業界。さらに産地を含めた世界のコーヒー産業の底上げに繋がっていって欲しいなと思います。
最後まで、読んで下さりありがとうございました。