持ちつ持たれつ
若い頃は、何かしらことがうまくいくと全部自分が頑張ったからだと思っていたと思います。
それがようやく、全然そうじゃないんだとわかるようになってきました。もちろん、自分自身の努力も必要ですが、それ以前に周りの人や環境に支えられ、委ねられていることがいかに大きいのか。
良い行いをすると自分に返ってくる。悪い行いも然り。
返報性の法則というものは、確かに存在するように思えるようになってきました。
まさに「持ちつ持たれつ」といったところなのでしょう。
大きな自然界の中でも、同じことが言えます。
ミツバツのようなポリネーターと呼ばれる花粉媒介者は、花々の蜜をもらいながら受粉を行います。
受粉を行うことで、また翌年そこに花が咲きミツバチたちにとって必要な蜜を集めることが出来ます。
「持ちつ持たれつ」ですよね。
これと同じようなことが海の中でも行われているようです。
まるで”海中のポリネーション” 甲殻類と藻類の関係
小さな甲殻類「イドテア(Idotea)」 / image credit:Station Biologique de Roscoff, CNRS, SU, Roscoff, France
ところが実験や観察でいろいろ試してみたところ、海流以外にも配偶子の運び屋がいることがわかったのだ。それがイドテアだ。イドテアが紅藻類のオスに近づくと、ベタッとした粘液でおおわれた配偶子が体にくっつく。
配偶子を体につけたイドテアが、今度は紅藻類のメスに近づくと、その体に付着していた配偶子がメスの生殖器に無事届けられる。まるで植物の受粉を媒介するミツバチのようだ。
紅藻類の繁殖において、海流が大きな役割を果たしていることに変わりはないのですが実はそれにプラスしてイドテアが、まさにミツバチが行っているような媒介をしていました。
どの世界においても、自分だけで成り立っているものはいないのでしょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。