海外の飲食店のチェーン店が日本にやって来ると、凄い行列が出来ることも多いですね。ただ、大半はそんなに長く続かないように感じます。もちろん例外もあるでしょうが。
「日本初上陸」などのキャッチコピーがあると、取り敢えず1回行ってみようとどっと人が押し寄せますね。最初だけで、その勢いが長く続かないのは「1回は行ってみたい」という人たちが1回訪れ「1回来たから、もういいや」とリピーターになる人がかなり少ないからなのかなと思います。
1回は行ってみようと思って来店する人は「1回は行ってみたい人」なので、新しいお店が出来ると「1回は行ってみよう」と新しいお店に行くことを次々と繰り返しているんだと思います。
そんな人達に、1回来てもらってリピーターになってもらうのは、かなりハードルが高いと思います。
1回は行ってみようと来店してくれた人がリピーターになる時
多くの人は、1回訪れてお店を後にするとき、またそのお店に行く可能性があるのか、ほとんどないのか無意識に判断しているのではと思います。
「また来るかも」と思ってお店を後にする時の要因を私が思いつくまま挙げてみたいと思います。
- ”感動するくらい”美味しかった
- 接客がすごく気持ちのいいものだった
- ”具体的シーン”で使える
- なんか、落ち着く
他にも色々あると思いますが、大きく分けると私はこの4つかなと思います。
1.”感動するくらい”美味しかった
これは誰しも経験があるんじゃないでしょうか。ここのハンバーグ、最高に美味しかった!コーヒーが自分にとってどストライク!などなど。
感動するくらい美味しいなと思ったら、また食べたり飲んだりしたいので、またそのお店に足を運ぶ可能性が高くなるでしょう。
2.接客がすごく気持ちのいいものだった
そこで出された食事などの味が平均点をちょっと上回るくらいであっても、接客がすごく気持ちのいいものだったら、また来たいなと思います。
特に、誰か大切な人と食事に行くことになったら絶対に失礼があってはいけませんよね。そんな時、接客が好印象だったお店は一気に行くお店の候補リストの上位にランクインすると思います。
3.”具体的シーン”で使える
少し「2」と被るような気もしますが。
このお店のココが使える!と明確にあれば、それを使うシーンがやって来たらきっとリピートするはずです。
例えば、たまたま入ったそのお店の店内のインテリアがめちゃくちゃキュート。そんなインテリアをインスタ女子がスマホを構えてパシャパシャ写真を撮りSNSに投稿している。
新しく出来た彼女がインスタ女子だったら、この店使える!となりますよね。
私の場合多いのは、ランチタイムご飯お替り自由なお店です。めちゃくちゃお腹が空いている時は、ご飯おかわり自由の店舗を優先して選びます。
4.なんか、落ち着く
これは、ちょっと難しいかな。
お店にいる時の”空気感”であったり、提供される食事であったり・・・なんか落ち着くんだよね。ホッとするんだよね。
難しいようだけど、これって日本人にとって馴染みがあるものなどを使うことで落ち着く空間を提供出来るんじゃないかなと思います。
そんな”空気感”をお客様に提供するのに、たくさんのヒントをくれるのが群馬県の大和屋さんです。
大和屋
群馬県で暮らしていると、喫茶店や焙煎コーヒー販売店がたくさんあるのに気付かされる。「コーヒー好き」が多い県で、焙煎コーヒーの先駆けを担い、2020年に創業40年を迎えるのが大和屋(高崎市筑縄町)だ。
大和屋のコーヒーのおいしさの秘密は木炭を使った焙煎法にある。ガスと比べてコストや技術の難易度は高いが、独特の香りが生み出される。自社焙煎工場で熟練した職人が丁寧に焙煎して仕上げ、焼きたてが全国各店舗に送られる。
日本人に馴染みのある木炭を使った焙煎法を取り入れているようです。
サラリーマン時代にコーヒー豆を扱っていた経験を生かし、まだ洋風のコーヒーカップが主流だった時代に和の器でコーヒーを客に提供すると、これが大好評。コーヒー豆と焼き物を扱うようになり、サラリーマン時代の部下4人も「新しい会社を一緒にやりたい」とついてきた。
1990年には筑縄町のハナミズキ通り沿いに現在の古民家風の建物を新築し、本店としてオープン。その後、全国へ拡大し、現在は直営店の高崎本店と高崎吉井店の2店舗と、グループ店39店舗を北海道から九州まで全国展開。ネット販売も行っている。
「和の器」「古民家」など、日本人の琴線に触れるワードが散りばめられていますね。
客に納得して購入してほしいとの思いから「本日のコーヒー」を無料で1杯提供する「お試し珈琲」は創業以来、全店で続けている。
すごいですね。本日のコーヒーを無料で1杯提供するとは。そして、その本日のコーヒーを飲んだお客さんたちの「美味しい」という口コミで人気が出てきたそうです。
コンビニコーヒーやボトルコーヒーなど業界に新しい風が吹く中、大和屋は独自路線を貫く。目指すのは「日本の風土に合った、日本人の味覚に合った珈琲」(平湯常務)だ。
ここに来るまでも、全てが日本人を意識したサービスが多いなと思っていたのですが、やはり目指すところは「日本人に合った珈琲」なのですね。それが全て根底にあるのでしょう。
まとめ
この大和屋さん。何か新しいサービスを始めたり、何か変えようかとする時にまず「日本人に合うのは?」と自問しているのではないかとも思えます。
日本人が居心地いい”空気感”を、いかに作り出せるのかが飲食店が長生き出来るかの鍵を握っているのかもと思います。
最後まで、読んで下さりありがとうございました。