最近、耳にするSDGsやフェアトレード、エシカルなどなど。
それぞれにおいて「持続可能」という言葉がよく出てきます。
なんの「持続可能」なのでしょうか?
コーヒーの「持続可能」とは
コーヒーであれば、今と同じ水準もしくはそれ以上のレベルで品質の良いコーヒーを安定的に飲むことなのかなと思います。
そのために必要なことは?
皆さん、それぞれ色々なことが思い浮かぶかなと思います。
まずは「環境」の部分が思い浮かぶ人が多いのかなと思います。コーヒーの「2050年問題」でも、30年後にはアラビカ種収穫量が今の半分以下になってしまうのではと言われています。
これも、地球温暖化などによる地球の環境・気候の変化によるところが大きいです。
コーヒーに限らず、大手企業では環境保護のために様々な取組を行っていますし上場企業ではCSR活動(企業の社会的責任)としてホームページなどにも掲載されています。
もちろん、環境保護のためにこんな取組を行っているということを株主や一般消費者にきちんとどんな活動を行っているのか伝えることは大切なことですし、良いことだと思います。
大いに、これからも取り組んでいただければと思います。
そして、もう一つ忘れてならないのが「生産者」です。
生産者に、やはりきちんとした人間らしい生活を送りコーヒーであればコーヒーの生産に必要な肥料や器具などの購入もしっかりと出来るものが支払われなくてはいけません。
「環境」への取組に比べ「生産者」の保護に繋がるような取組を行っているとホームページに掲載されている企業は、大幅に少なくなります。
ただ、これもわからなくはないです。
中小のロースター(コーヒー焙煎業)は、ほとんどがコーヒーの生豆の仕入れを商社を通して行っています。
商社が間に入ることで、直接生産者とやり取りをすることもなく顔が見えないので生産者に中々意識がいかないのかなとも思います。
また、生産者に意識が行ったとしても何をどうすればいいのかと考えた時に答えを見つけられないのかなと思います。
「環境」であれば、小さなことでもすぐに始められるので取り組みやすいというところも大きいのかなと思います。
UCCの生産者に対する取組は
コーヒーは、相場に左右される国際商品であり天候の影響を受ける農産物でもある。世界的に消費量が拡大傾向にある中、コーヒー相場の下落や霜害・旱魃(かんばつ)・さび病などに左右されにくい持続可能な生産への取り組みは生産国・消費国双方のメリットになる。このような考えの下、UCCグループは01年からブラジルを皮切りに各主要生産国で品質コンテストを実施している。
品質コンテストとはコーヒーの良し悪しを決定する味や香り、国によっては労働環境や自然との共存などの視点も審査対象とする品評会のことで、UCCでは入賞したコーヒーを日本で期間限定販売しているほか、生産者に直に接して品質向上のための技術指導などを行っている。
生産者にとってコーヒーが魅力のない農作物になってしまうと、肥料や農園への投資を控えるようになり、場合によっては生産放棄や他の魅力ある農作物への転作が進み生産量が低下してしまう。
UCCは生産者に対し、品質向上のための技術指導はもちろん主要生産国で品質コンテストを開催することで品質がいいものを作ったら、きちんとした収入が得られるんだという生産者の意欲の向上に取り組んでいるのだと思います。
こういったことを2001年から取り組んでいるというのは素晴らしいことだと思います。
ただ単に、品質がいいものを栽培している生産者に対し、高価格で買い取ると契約し てしまうと生産者によっては「今回のは、高値で買い取ってもらえる契約をしたから適当でいいや」と思ってしまう人も当然いると聞くことがあります。
もちろん、それでやる気を出す生産者の方が多いと信じたいのですが・・・
そういったことを防ぐ意味でも、未来志向で「いいものを作ったらそれなりの高値で買い取る」というコンテストはいいのかなと思います。
ただ、実際コンテストで上位になりきちんとした対価を得るコーヒーというのは全体でみると、ごくわずか。国によっても差はありますが1%あるかないかというレベルだと思います。
消費国、生産国といった「国」。そして生産地域の「地方」。そこに関わってくる企業。そして「生産者」。
それらがうまく連携し、きちんと生産者が適正な対価を受け取ることが出来るモデルが出来上がればと思います。
そうでないと、環境の悪化でコーヒーの生産量が大きく減る以前に生産者がいなくなってしまうというのはあり得ることなのかなと思います。
生涯、美味しいコーヒーを飲み続けるために何が出来るのか・・・
最後まで、読んで下さりありがとうございました。