「役に立つ」より「意味がある」モノに価値がある
少し前に話題となっていたホンダのバイク「スーパーカブ」を題材にしたアニメ、その名も「スーパーカブ」。
アニメの中では、主人公の友人の家がカフェという設定もあり少しコーヒーに関する描写にもこだわりが感じられました。
私がこのアニメを見ていたのは、その少し前から「スーパーカブ」に乗ってみたくなり欲しいなと思っていたからです。
この頃、You Tubeでひたすらスーパーカブの動画を見ていました。
そんなスーパーカブですが、1957年の発売から現在まで、技術や構造をそのまま維持しています。余計な機能を加えずに60年以上販売されており、世界での販売台数はなんと1億台を超えています。
これは自動車を含むモビリティ商品において世界で1番売れているそうです。
日本企業の多くは「役に立つ」ことで世の中に価値を生み出し、世界に進出していきました。
数十年前は、世の中の不便なことや困った事に対し「役に立つ」ものを世に送り出すことで、その商品は売れました。
それが現在、不便なものや困った事をはるかに上回る位「役に立つ」ものが増えました。もっと言えば増えすぎました。
その結果、役に立つものを作り続けていた企業や産業は今元気がないです。
そんなことが、興味深く書かれた記事がありますのでよかったら読んでみてください。
スーパーカブのヒットに関しては「役に立つ」を突き詰めた結果、ユーザ側が勝手にスーパーカブのイメージを作り状況的なツールとして「意味がある」ものになったと言う希有な例です。
コーヒーの「意味」
私たちが普段飲むコーヒーはどうなのかなと考えてみました。
コーヒーは「役に立つ」ものなのか。「意味がある」ものなのか。
コーヒーを飲むことで「役に立つ」と実感する事は特にないです。
既に私の中でコーヒーを飲むと言う事は、習慣となりライフスタイルの中に組み込まれています。
1日生活をしていく上で、リズムを刻むと言うのでしょうか。朝このタイミングでコーヒーを飲み、お昼ご飯を食べた後にコーヒーを飲む。
夕方ごろ、またコーヒーを飲む。
そんな感じで、私の中の生活においてコーヒーを飲むタイミングやコーヒーを飲むと言う行為でメリハリが生まれているように思います。
また、コーヒーを日常的に飲むことからコーヒーに興味を持つことで、コーヒー生産国の現状や地球温暖化の事なども考えるようになります。
コーヒーをはじめとする農作物などに興味や関心を抱かなければ、そういったことに興味を示したり考える事はなかったのではと思うこともあります。
そんなことを考えると私にとってコーヒーは「役に立つ」ものと言うよりも明らかに「意味がある」ものなのかなと思います。
UCC上島珈琲が食後の血糖値対策 原材料コーヒーのみ機能性表示食品「珈琲生活プラス ワンドリップコーヒー」発売
出典:
いつものコーヒーで、おいしく食後の血糖値対策 原材料コーヒーのみ機能性表示食品「珈琲生活プラス ワンドリップコーヒー」発売 UCC上島珈琲(食品新聞) - Yahoo!ニュース
そしてUCCから原材料コーヒー飲みのレギュラーコーヒー100%の機能性表示食品「珈琲生活プラスワンドリップコーヒー」が9月6日に発売されます。
この商品は「役に立つ」ものなのか。それとも「意味がある」ものなのか。
この商品1杯分には118mgのコーヒー由来のクロロゲン酸類が含まれます。
この成分量を食事と合わせて飲むことで食後の血糖値上昇を緩やかにすることが緊急報告されているそうです。
こういった機能性を付加することなく普通に日常的にコーヒーを飲む習慣がある人にとってはコーヒーは「意味がある」ものだと思います。
それにこういった機能性をプラスすること。この商品で言えば血糖値対策ができる。
普段から血糖値の上昇を気にしている人にとっては、食事と一緒にコーヒーを飲むだけで血糖値対策ができると言う事は「役に立つ」商品かなと思います。
先程の中で「役に立つ」はスキルで作ることができるが「意味がある」は残念ながらスキルでは作れないと書かれています。
この商品もクロロゲン酸類を増やすというスキルがあれば作ることができる商品です。
現在世の中の消費が「役に立つこと」から「意味があること」に価値の源泉がシフトしていると言うところを見るとどうなのかなと思ってしまいます。
ただ、私もコーヒー会社の営業として商品を売っていかなくてはいけないのですが、実際に商品を売ろうとするときにこういった機能性をプラスした商品は商品の紹介や案内をしやすいのでありがたいなと思います。
「意味的価値」にお金を払う人たちに商品を売っていこうとすると、ただ単に「血糖値対策ができるコーヒーができました」といっても売れないでしょう。
もし同じ商品を売るのであれば、その商品の開発の背景にあるものや、そのコーヒーを飲むことで、コーヒーの生産者がどうなる、生産国の環境がどうなるなどの意味を盛り込んでいかなければいけないのかなと思います。
口で言うのは簡単なのですが(笑)
もっとわかりやすい例は、クラウドファンディングで、直接生産者を支援することができるなどではないかなと思います。
考えてみれば、私が子供だった頃に比べれば恐ろしい位「役に立つこと」や「役に立つもの」は世の中に溢れているようなと思います。
そういったところから自分の頭の中を「意味があること」て何なんだろうと頭の中を切り替えていかなければと思いました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。