コクウ珈琲
岐阜県美濃加茂市にある「コクウ珈琲」が10周年を迎えました。
10周年を迎えゲストに大坊珈琲店の大坊勝次氏と帰山人さんを迎えイベントを開催されました。
コクウ珈琲のオーナー篠田氏とも初めてお会いすることができました。
篠田氏は物腰が柔らかそうで、ちょっとシャイなところもあるようでした。
焙煎の師匠は愛知県西尾市のフレーバーコーヒーの中川氏だそうです。
JR美濃太田駅から徒歩10分ぐらいのところにある店舗は古民家のようで少しノスタルジックな雰囲気です。
こんな素敵なお店で大坊さんのコーヒーを飲み、大坊さん、帰山人さん、篠田さんのトークが聴けると言うイベント。自然と期待感が高まります。
大坊勝次氏
1975年から 2013年の12月まで38年間、南青山で「大坊珈琲店」を営業されていました。
手回し焙煎、ネルドリップにこだわり多くの人を魅了してきました。
残念ながら私は大坊珈琲店を訪れる事は出来ませんでした。
閉店はビルの改装によるものでした。
営業されていたときのコーヒーのメニューはブレンドが1つ。そのブレンドのコーヒーの濃さで5種類。そしてストレートコーヒーが4種類でした。
引用元:大坊珈琲店 大坊勝次さんの38年 - ほぼ日刊イトイ新聞
引用元:大坊珈琲店 大坊勝次さんの38年 - ほぼ日刊イトイ新聞
閉店された後も、大坊さんは精力的にイベントなどで各地を訪れています。
コクウ珈琲10周年記念 大坊珈琲店・大坊勝次氏のコーヒーとおはなし7.0
このパンフレットのイラストはネルドリップの様子を銅版で表現されたものだそうです。
イベントは2部制でした。私は第二部で参加したのですがお店に着いた頃はまだ第一部の方が大勢店内にいらっしゃり、大坊さんにサインをしていただいていました。
大坊さんの手には万年筆が握られています。それが、またよく似合います。
コーヒーアミーゴス中部の方も何人かいらっしゃりました。
もちろん席は満席となりました。
そしてイベントの中で大坊さんが入れるコーヒー2種類を飲むことができます。
イベント時間は2時間ですが、大勢の方に2種類のコーヒーを提供されるのもこの時間に含まれています。
最初に薄いほうのコーヒーが提供されます。
大坊さんを含むスタッフの方の写真の映り込みは大丈夫とのことでした。
間近で大坊さんが抽出されている様子を見ているのですが吸い込まれるような感覚になりました。
一つ一つの動きに全く無駄がありません。
「スマート」「美しい」どんな言葉が適切なのかは分かりませんが、それらの言葉を超越し、とにかく見とれてしまいます。
そして最初の薄い方のコーヒーをいただきます。
まずカップを顔の近くに近づけたときの、その感じたことのないような芳醇な香りに驚きました。
これが薄いほうのコーヒーなのでこの次に出てくる濃い方のコーヒーになるとどうなるのだろうか。さらに期待が高まります。
そしてそのコーヒーを一口飲みます。
その瞬間今まで感じたことのないような、ものすごい甘さを感じます。
そしてそのすぐ後に苦さもやってきます。かなり深煎りのコーヒーなのですがその苦味も丸く優しい感じです。
はっきり「酸味」と言えるものは感じないのですが、おそらくごく少量の酸味はあるのかと感じます。
液体でもない、気体でもない。そんな状態を超臨界と呼びますがそのコーヒーは苦味と甘味のちょうどその間にいるような感じを受け頭の中にぱっと「超臨界」と言う言葉が浮かんできました。
参加者の皆さんに最初の薄いほうのコーヒーが行き渡るとそのまますぐ、大坊さんは濃い方のコーヒーを抽出されます。
こちらもやはりものすごい芳醇な香りが鼻腔をくすぐります。
そして飲んでみると確かに濃いのですが、全く喉につかえるような感じはないです。
薄い方のコーヒーは口に含んだ瞬間まず甘みを感じましたが、こちらの濃い方のコーヒーは先に苦味を感じます。ただそのすぐ後にしっかりとした甘みがすぐに押し寄せてきました。
イベントのスタートから参加者の皆さんに2杯目のコーヒーが行き渡るまでおよそ1時間20分でした。
すべての抽出を終え、大坊さん、帰山人さん、篠田さんのトークイベントが始まります。
場を仕切るのは、コクウ珈琲のオーナー篠田さんではなく帰山人さんです。篠田さんは大坊さんに来ていただくということで前日よりかなり緊張されていたようです。
最初にアンケートをされました。
大坊さんのコーヒーを飲んで
- 苦過ぎる
- 濃すぎる
- ちょうどいい
この1から3のどれにも皆さんほとんど手を上げられなかったです。
私もその1人です。
苦すぎると感じず、濃すぎるとも感じず、かといってちょうどいいと言うのとも違う。
今まで数多くのコーヒーを飲んできていますがこんな感覚初めてです。
深煎りのコーヒーで甘さを感じることが今までもありましたが、ここまでしっかりとした甘さを感じたのは初めてです。
トークが始まると大坊さんが「7.0」に関して説明をします。
「7.0」に意味はありません(笑)
大坊さんの中で「7.0」は酸味が「0」になるところと位置づけられています。
この「7 .0」のその先に濃厚な「甘み」があるとのことです。
その後大坊さんのブレンドの説明がありましたが、それが気になる方は著書「大坊珈琲店のマニュアル」をご覧になっていただければ書かれています。
ここまでしっかりとレシピを公開しても良いのだろうかとも思いますが、それも大坊さんのお人柄なのでしょう。
今の時代はオープンイノベーションと言われますがこうしておいしいコーヒーが飲めるお店が増える事はコーヒーファンとしては非常に嬉しいことです。
まとめ
今回の10周年記念として大坊さん、3人さん、篠田さんのコーヒーがセットになったものを販売されていました。
帰山人さんのコーヒーは「62/9ブレンド」と言う名前でした。
9分の61 = 6.7777…
9分の62 = 6.8888…
9分の63 = 6.9999…ではなく「7」です。
つまり6.9999…、はあるはずなのに幻とのこと。
そして永遠に終わることのない循環少数に10周年を迎えられたコクウ珈琲さんと大坊さんの長い活躍を込められていました。
素敵ですね!
大坊さんが焙煎したコーヒーを購入することが出来ました。
大坊さんが淹れられたコーヒーを再現したいですが、かなり厳しいと思います。
「甘さ」がしっかり感じられるコーヒーを淹れることが何とか出来ればと思います。
素敵な出会いに感謝です。
最後まで、読んで下さりありがとうございました。