白いはちみつ
最近、リアルでの講座の開催等はなかなかないですがオンラインで知り合った人たちと話をしていると、「”白いはちみつ”が好きです」と言う人が、結構多いです。
はちみつと言うと、やはり黄色をイメージされる方が多いと思います。
その黄色いイメージを持つはちみつが「白い」というだけでもギャップ萌えする人は多いのではと思います。
それが、食べて美味しかったらさらにファンになる人は多いでしょう。
昨年のハニーオブザイヤーの海外3部門では優秀賞(ベスト3)に、2つも白いはちみつが入っていました。
そして、その2つはともにキルギスのはちみつでした。
キルギスのエスパルセットのはちみつ
今ある「白いはちみつブーム」の火付け役となったのは、まさにこのキルギスのエスパルセット(イガマメ)のはちみつでしょう。
エスパルセットのはちみつも、採蜜した時は一般的なはちみつと同じような黄色っぽい色をしているそうです。
それが、採蜜から1ヵ月もすると白く変わっているそうです。
食べてみると、しっかりとした甘さの中に少しハーブっぽさを感じ爽やかな印象を受けます。
見た目の感じから、あまり口どけは良くないかなと思ってしまいますが、意外や意外。口どけも良いです。
私は、イチゴを食べるときに練乳でなくこのエスパルセットのはちみつをつけて食べるのが好きです。
キルギスの地域経済活性化を目指した一村一品プロジェクト
そんなキルギスは、タジキスタンと並んで中央アジアで最も貧しい国の1つです。
特に人口の約7割が居住する農村、山岳地域の状況は深刻です。
ソ連崩壊後、流通や生産などの経済活動を支える地域コミュニティーが消失し、多くの人が貧困生活を余儀なくされています。
そんな状況の中、2006年からJICAの協力のもと、地域経済活性化を目指した一村一品(OVOP=One Village One Product)事業が始まりました。
プロジェクトの対象地域にはキルギス北東部のイシククリ湖周辺行が選ばれました。この地域は質の高い羊毛やハーブ、野生のベリー類など潜在的な資源が多い土地でしたが、それらを製品化して市場に売り出すためのノウハウや組織が存在していなかったそうです。
この事業ではフェルト製品や塩、スーパーフードのシーバクソンなどとともにはちみつも商品化されています。
イシククリの一村一品事業は大きく成長しました。扱う商品の数はなんと1500を超えているそうです。
そして生産には2300名もの人が携わっているそうです。
プロジェクト当初は日本の支援に「箱モノ」や工場を期待していた地域の人々の意識も、「商売がうまくいかなければ仕事を失ってしまうので皆必死になっています」と自主的なものになっていったそうです。
エスパルセットのはちみつは、そんなイシククリのヒット商品の1つです。
キルギスでは毎年7000トンほどのはちみつが採れていましたが、蜜源を限定しない商品しかありませんでした。ようは百花蜜しかなかったということですね。
蜜源をエスパルセットのみにした、まっ白なはちみつを販売したところ大ブームになって生産者の数が増え、総生産量は現在年間12,000トンまで増加しているそうです。
キルギスでは「キルギス人と日本人がもともと兄弟で、肉が好きなものはキルギス人となり、魚が好きなものは東にわたって日本人となった」という言い伝えが今でも現地では語り継がれているらしいです。
実際、キルギス人の人は日本人と見た目もかなり似ています。
そんな私たちの”兄弟”キルギスの人たちが一生懸命作ったエスパルセットのはちみつ。
白いはちみつがブームになって人気があると言っても、まだまだ一般的ではありません。
同じイシククリの一村一品プロジェクトのフェルト製品は良品計画(MUJI)との連携によって生まれたものだそうです。
この可愛い羊のフェルトも、もちろんキルギスのフェルトですよ。
エスパルセットのはちみつも、私たち日本人にとってもっともっとなじみのあるものになるといいなと思います。
昨年、ルワンダに行っていたJICAの方からコーヒーに関して色々とお話を伺う機会はありました。はちみつも、現地でご活躍されているJICAの方からお話をお伺いする機会があればいいなと思います。
そして、私もいつかキルギスに行ってみたいな~!!
だって、キルギスは美人が多いですから(笑)
イシククリの『一村一品プロジェクト』に関しての詳細はこの下のリンクより御覧ください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。