7月15日(月)、JICA中部に行ってきました。
目的は「第52回コーヒーサロン」に参加するためです。
満員御礼の大盛況でした。お話させていただいた方の中には遠方から来られていたかたも多かったです。
岡山県であったりコロンビアであったり。
終了後の懇親会から「40代の会」(仮称)と最後までしっかり飲みました。
第52回 コーヒーサロン『2019コーヒー危機とSDGs』
この写真はJICA中部の1階にあるSGGsの17の目標が示したボードです。
2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」。
17の目標と169のターゲットがあります。
漠然とこの数字を聞くと「たくさんあるな」。「こんなの無理じゃない」。そう思いかねないと思います。私もそうでした。
今回のコーヒーサロンに参加して「自分が出来るところから」「自分が関係しているところから」という話を聞き、参加前よりもSDGsとの距離が近くなったように感じました。
会場に入ると、今回はコーヒーハンター川島良彰氏のタイ・ドイトゥンのコーヒーを頂きました。
ここで頂くコーヒー、毎回美味しく楽しみにしています。
以前からミカフェートでブレンドで扱われていましたが2018年に収穫されたものからは単品でCOFFEE HUNTERSとして扱われています。
概要
最近、「コーヒーの危機」について、よく聞かれるようになりましたが、「コーヒー危機」とは何でしょうか。
地球温暖化の影響でコーヒー栽培の適地が激減することでしょうか。
それとも、コーヒー種の60%が絶滅の危機にあることでしょうか。
しかし、もうひとつのコーヒー危機、つまりコーヒー価格が暴落し、コーヒー農民たちは危機的な状況にあるという声明が出されたことはほとんど報道されません。
一方、SDGs(持続可能な開発目標)についてはようやく知られるようになってきました。
では、SDGsは現在の「コーヒー危機」を克服することにどのように貢献できるのでしょうか。
みんなで考えてみたいと思います。
プログラム
1.池本幸生(東京大学)「コーヒー価格の変動とコーヒー危機」
2.川島良彰(㈱ミカフェート)「コーヒーとSDGs、生産国の現状」
3.青柳信弥 (Aoyagi Coffee Factory)「SDGsとフェアトレード」
4.山本 美香(青年海外協力隊事務局 事務局長)
「ルワンダ報告と海外協力隊募集について」
学んだこと
持続可能
”持続可能な・・・”ということで大手企業でも様々な取り組みを公言していますが
- 環境
- 社会
- 経済
この3つの内「1」と「2」に関してはよく挙げられるのですが「3」の”持続可能な経済”というものに触れていることが殆ど無いと話がありました。
ここ50年、国際相場の上げ下げはもちろんありましたがコーヒーの価格はほとんど変わっていないという実情。
生産国の人にとっては、何よりも生活するための「お金」が必要です。
その生産者の「お金」に触れている大企業はほとんど無いということ。
アラビカコーヒーの収穫量が現在の半分になるんじゃないかと言われている「2050年問題」。
その2050年が訪れる前に、このままでは誰もコーヒーを収穫しなくなってしまうかもしれないと提言されていました。
そして、先月ブラジルの生産者が「こんな賃金では、やってられない」と自暴自棄になり若いコーヒーの木を自らの手で切り倒す動画を紹介されていました。
これは、かなりショッキングな動画でした。
ベトナムの生産者
1990年には、ほぼコーヒーの生産がなかったベトナムが現在は世界2位の生産量です。
1995年以降の世界増産量の83%がブラジルとベトナムの増産によるものだそうです。
そして”品質”よりも”量”を重要視するベトナムの生産者のちょっとした笑い話。
ベトナムの生産者は、とにかくオレはこれだけの時間でこんなにコーヒーを収穫したと自慢をしたがるが、品質の話をふるとみんな黙り込んでしまうそうです(笑)
ただ、そうは言ってもこれだけの短期間で生産量を増やすことが出来たのはベトナムの人の勤勉さが大きいようです。
1997年以降のコーヒー相場
1996年までのコーヒー相場はわかりやすいものでした。
コーヒーの収穫量が多ければ相場は下がる。
霜害や旱魃で収穫量が少なければ相場は上がる。
ところが1997年以降は、これらと関係なく大きく相場が変動するような現象が増えています。
その原因は投機です。
すでにコーヒー相場は投機に支配されていると言っても過言ではないですね。
某大企業のコーヒーの採用
これは、ミカフェートの営業の方が某大企業にコーヒーの提案をしたときの話です。
コーヒーをまず試飲していただき「非常に美味しい」と言っていただいたそうです。
当然、次に聞かれるのは「価格」だと思っていたら全然違うことを質問されたそうです。
「あなたの会社は、どんな社会貢献をされていますか」
ミカフェートが取り組んでいる社会貢献を伝えたら、価格の話を一することなく採用が決まったそうです。
こんなやり取りが、当たり前になる世の中は素敵かなと思います。
当初、予定されていた時間をだいぶオーバーして中身の濃い内容でした。もちろん、ここに挙げたのはごく一部です。
池本先生と川島さんのお話の後は、名古屋のフェアトレードコーヒーの顔といってもいい青柳さんのフェアトレードへの取り組み。
そして、今年の春まで2年間、青年海外協力隊員としてルワンダでコーヒーの栽培指導などに携わっていた玉田さんの、現地での苦労話などお聞きしました。
まとめ
普段から生産国によく行っている方から話を聞くと、自分が思ってもいなかったこと。
生産国の実情を知ることが出来る数少ない機会なので「コーヒーサロン」は、有り難いです。
川島さんが仰られていた「コーヒーで世界は変えられる。しかしそれには、まずコーヒーの世界を変えなければならない。」という言葉も印象的でした。
そして、たくさんの「コーヒー・ラヴァー」と知り合うことが出来ることも魅力の一つです。
また、次回名古屋で開催されること楽しみにしています。
最後まで、読んで下さりありがとうございました。