コロンビアの現状
世界第3位のコーヒー生産量を誇るコロンビア。
スペシャルティコーヒーの生産をし、高い評価を得たごくごく一部の生産農家を除き、普通のコーヒー生産農家の方は国際相場の低迷などにより生活が厳しいのが現状です。
コロンビアに限ったことでは無いですが、そこに新型コロナウィルス感染拡大によって追い打ちがかけられています。
なかなか普段、生産国の現場がどのようなものなのか私たちが普通に生活していても情報が入ってこないです。
実際に生産国でコーヒーの生産に携わっている人のSNSなどの情報を取りに行くことができます。最近では、ポッドキャストで生産国の方の声も聴くことが出来るようになっているのは有り難いです。
もともと、愛知県で生まれ育ちOLをしていた松尾彩香さんは今コロンビアでコーヒーの生産に携わっています。
2018年のコーヒーアミーゴス中部のイベントに参加した時、日本に帰国していたタイミングで参加していた彼女と知り合うことができました。
コロンビアのコーヒー生産者の間でも、最近養蜂が盛んに行われていると等と情報交換をさせていただいています。
現地では、ハリナシバチを使って養蜂をしている生産者の方が多いこと。そして、アフリカナイズドミツバッチによっての死亡例が報告されていることなど教えていただけました。
普段は彼女のTwitterを見ているだけですが、現在のコロンビアでのコーヒー栽培に関しての情報を積極的に発信されています。
そんな彼女が、「コカインの原料『コカ駆除で新記録』のニュースに喜べないワケ」というタイトルで記事を書かれていました。
コカインの原料『コカ駆除で新記録』のニュースに喜べないワケ
彼女がこの記事を発信したのは、「コロンビア=コカイン」と言うざっくりとしたイメージを持っている外国人が多いと気になったのが理由のようです。
コカインは、白い粉末で製品を興奮させる作用があるドラッグのことを指します。
その原料となるコカは、南米原産の低木でこの木の葉っぱがコカインの原料となります。
ただ、コカの葉っぱ自体には麻薬の要素は全くなく、この葉をつぶしてガソリンなどの薬品を加え加工したものがコカインというドラッグになるそうです。
この記事を読み、恥ずかしながら私も初めて知りました。
もともと、コカの葉は昔から高山病の予防として使用され、南米の先住民たちは薬草としてや儀式なんかにも使っていたそうです。
コカの葉っぱ自体は全く危険性は無いのですね。人が手を加えることによって、危険な薬物に生まれ変わっています。
そして、そのコカの葉を栽培し収穫しているのは平凡な農民たちです。
彼らは、コカを栽培し収穫して収入を得る事しかできない貧しい農民たちなのです。
コカ以外の野菜や家畜を育てればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、そう簡単にもできないそうです。
詳しい事は彼女の記事をご覧ください。
コロンビア政府は、コカイン撲滅のためにアメリカ政府の援助を受けています。
コカ畑を減少させるための1つの方法として、モンサント社のグリフォサートを飛行機で空中から散布しているそうです。
グリフォサートは人体や環境に大きな悪影響を与えると噂されています。
仮にグリフォサートを散布したことでコカ畑を枯らせたとしても、コカを栽培することによってしか収入を得られる得ることを知らない農民たちはまたコカを栽培するでしょう。
それさえできない状況にできたとしたら、それは彼らに死ねと言っているようなものです。
グリフォサートを空中散布する前に、まずは彼らが他の栽培以外で収入を得られる方法を与える。
先にしっかりとした受け皿となるものを用意するのが先決なのではと思います。
それがなければ、イタチごっことなるでしょう。
最後に松尾さんが書かれていますが、本当にコカインを撲滅したいのであれば、その生産者と消費者を減らすためのアプローチも同時に必要なのではないのでしょうかと。
需要と供給のレベルを合わせて下げることが必要です。
何の罪もないごくごく普通のコカの生産者の収入獲得のための術を提供することが先決かと思います。
色々と考えさせられる記事でした。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。