エチオピアのゲイシャ
コーヒーの原種の1つであるゲイシャ種が、世界的に人気を得るようになってもう10年ぐらい経つのでしょうか。
ゲイシャ種はエチオピア が起源ですが、その人気に火をつけたのはパナマのゲイシャです。
日本に入るようになった頃、初めて私も飲んだ時はぶったまげました。
1年目の物のカッププロファイルに「オレンジ」とあったのですが、他のコーヒーでは感じられることのないその圧倒的なオレンジ感が印象的でした。
2年目のものも雰囲気は似ていたのですが、これはどちらかと言うとレモンティーと言う印象でした。
それ以降、いろんなところでゲイシャを飲んでいますが、この2つほどのインパクトを受けるものには出会えていません。
同じパナマのエスメラルダ農園のゲイシャでも、このときのようなインパクトは感じられませんでした。
もしかしたら、ゲイシャ種は花を咲かせるようになって2 〜3年の間が圧倒的な風味特性を持つピークであって、その後一気に落ち着いてしまうのかなとも感じます。
そして今となっては、様々な国でゲイシャ種の栽培がされていますが、パナマのゲイシャに匹敵するレベルのものには残念ながら出会えていません。
そう考えると、ゲイシャ種にとってパナマの気候や土壌が最高に相性が良いのではとも思えます。
ゲイシャ種の起源であるエチオピア のゲイシャを飲んでも、やはりパナマのものと比較すると、スペシャルティコーヒーとして評価すると点数として大きく引き離されてしまいます。
ただ、毎日飲むにはエチオピアのゲイシャあたりは丁度いい感じです。
カフェサークル「ル・リアン」のゲイシャ
今回、三重大学の学祭でカフェサークル「ル・リアン」の子たちが焙煎したエチオピア のゲイシャを買ってきました。
このゲイシャは、大学祭の1週間前に神戸で開催されたVOLCAFE COFFEE EXPO 2022に向けて彼らが焙煎したものです。
今回、ル・リアンのサークル長にこのゲイシャを淹れてもらいました。
「美味しかったら、豆買うよ」と、少しプレッシャーを与え出てきたそのコーヒーは私にとって非常においしかったです。
彼らが、少し失敗をしながらも何度も焙煎にチャレンジしていた姿を見ていたら美味しく感じずにはいられません。
ただゲイシャらしさは、正直そこまで強く感じないです。
誤解のないように言っておきますが、彼らの焙煎が決して悪いわけではなくその豆が持つポテンシャルが違うわけです。
そう思ったのですが、ここで少し我に帰りました。
私が思う「ゲイシャらしさ」って、もしかしたら既に幻想に近いものになっているのかもしれないと。
紛れもなく日本に入ってきた頃のパナマのゲイシャのその風味特性は誰しもが感動するレベルのものすごくインパクトのあるものでした。
その後に飲むゲイシャでは、それに迫るものはないというか、遠く及ばないものが多いです。
私の中での「ゲイシャらしさ」の、その基準をそろそろ変える必要があるのかなとも思ってしまいます。
あれやこれや考えても疲れてしまうので、素直にルリアンのゲイシャを美味しくいただきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。