スリランカ
スリランカと聞くと真っ先に思い浮かぶのは紅茶と言う人も多いかなと思います。
ですが、かつては世界第3位のコーヒー生産地として栄えていました。
「インド洋の真珠」とも言われる緑豊かな熱帯の島で、面積は北海道の約8割ほどです。
紅茶以外にも現在は農業と繊維業が盛んです。
19世紀初頭にイギリスの植民地となりましたが、1975年にイギリスから独立しました。
ですが、その後26年間にわたりスリランカ反政府武装勢力カタミル・イーラム解放の虎(LTTE)と政府との国内紛争が起きました。
2009年に紛争が終結した後は、コロンボを中心とした西部に焦点を当てた経済開発によって南アジア有数の経済成長を遂げました。
一方、地方と都市の間で顕著な格差が広がっています。
世界遺産を8つ有するスリランカではへ、紛争終結後に観光客が増えていました。ですが2019年4月に起きた連続爆破テロの影響、そして現在は新型コロナウイルス感染症の影響で観光業は大きな打撃を受けています。
「スリランカコーヒー」復活に向けて
スリランカでのコーヒー産業が最盛期を迎えたのは1840年代です。
そして1880年代に「さび病」と呼ばれる植物の病気によってスリランカのコーヒー農園は壊滅的な打撃を受けました。
その後、イギリス人のトーマスリプトンらによって紅茶の栽培が大成功すると、「セイロンコーヒー」は世界から忘れてされていったのです。
そんなスリランカのコーヒー産業が再び世界で脚光を浴びるようになったのは、2000年代に入ってからのこと。元来有していたコーヒー栽培に適した環境に加えて、フェアトレード(発展途上国の人々の社会的・経済的自立を支援するために、それらの生産品を公正な価格で取り引きする貿易の形)や、日本をはじめとする先進国のサポートが実を結び始めたのです。
現在、スリランカコーヒーの生産はオーガニック栽培のセイロンコーヒーとしてスリランカ国内で盛り上がりを見せているそうです。
そして、日本でも商品展開が拡大しています。
スリランカでは、アラビカ種のコーヒーが栽培されていますが、日本からは2007年から約3年間、特定非営利活動法人の日本フェアトレード委員会が、アラビカ種のコーヒー栽培のコミュニティー開発をJICAの草の根協力支援としてサポートしました。
さらにその後、同協会の代表がキヨタコーヒーカンパニーを創業し、現地の生産者とともに日本での商品展開を推進しています。
スリランカの街中では新しいカフェが続々とオープンしており、コーヒー産業復活の機運が高まっているようです。
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