眠気覚ましにコーヒー
皆さんは仕事中や勉強中に眠くなったらどうしますか。
状況が許すのであれば、やはり1番良いのは少し仮眠をとることかなと思います。
ただ職場で仕事中に少し眠くなったからといって「眠くなったので寝ます」と宣言し、お昼寝をすると言うのはなかなか難しい人がほとんどじゃないでしょうか。
テレワークで、在宅でならできるかもしれないですね。
そんな時、眠気を覚ますのにガムを噛むと言う人も多いでしょう。
他に効果がありそうなものは、歯磨きをするというのも有効かなと思います。
そしてやはりコーヒーを飲むと言う人も多いでしょう。
コーヒーにはカフェインが含まれており、カフェインによる覚醒作用によって少々の眠気であれば解消できるかなと思います。
そんなこともあって、コーヒーと睡眠に関する研究などは様々なところで行われています。
今年5月、アメリカのミシガン州立大学心理学部の研究グループが同様にカフェインと睡眠に関して大規模な実験を行いました。
ミシガン州立大学心理学部が行った実験
この実験での参加者の累計は276人だそうです。
まず参加者は研究室で2つのテストを受けたそうです。
1つは「画面に数字が表示されたら、できるだけ早くボタンを押す」と言う単純なテストです。
もう一つは、画面に次々と数字や文字が表示され、「アルファベットに下線が引かれていたらそれを報告する」「赤い色の数字が右に表示されていたら色、左に表示されたら数字を報告する」と言うような複雑な判断を必要とするテストです。
そして、その後参加者は4つのグループに分かれて実験を行います。
まずは2つのグループに分けます。
1つのグループは、そのまま研究室に残って徹夜をします。
もう一つのグループは、家に戻っていつも通り睡眠をとります。
その翌朝、参加者たちはまた研究室に集まり実験用のカプセルを渡され、飲むように言われました。
半分のカプセルにはレギュラーコーヒー2杯分ほどのカフェインが入っており、もう半分には入っていません。
つまり参加者は、自分がカフェイン入りのものを飲んだのか、そうでないかはわからないことになります。
「自分はカフェインを飲んだのだから、作業ができるはずだ」と言う思い込みによる影響(プラセボ効果)が起きないようにするためです。
これによって、以下のような4グループに分けられたことになります。
①徹夜してカフェインをとらなかった人
②徹夜してカフェインをとった人
③睡眠をとってカフェインをとらなかった人
④睡眠をとってカフェインをとった人
この飲料を飲んだ後、参加者は全員、改めて前日にあった2つのテストを行いグループそれぞれの成績を比較することで睡眠不足とカフェインの影響を調べた訳となります。
テストの結果
テストの結果は、単純な作業は成績向上、複雑な作業は成績低下と言う結果となりました。
まず1つ目の「徹夜してカフェインを取らなかった」グループでは、当然ですが単純なテストも複雑なテストも徹夜後は正答率が下がりました。
そして2つ目の「徹夜してカフェインを取った」グループはどうだったのでしょうか。
実は面白いことに、単純なテストと複雑なテストで違う傾向が見られました。
単純なテストについては、前日と比べても成績が落ちず、睡眠をいつも通り取ったグループ並みにスコアをたたき出したそうです。
カフェインを取ったことで、睡眠不足の影響をカバーすることができたわけです。
しかし一方、複雑なテストの方は前日と比べ成績ダウン。先程の「徹夜してカフェインを取らなかった」グループとそれほど変わらないとこまで悪くなってしまったそうです。
これらの結果から「カフェインは、単純な仕事においては睡眠不足の影響を補える。しかし頭を使わなければできない複雑な仕事の影響をカバーすることができない」と言うことがわかりました。
この実験についてもう少し詳しく知りたい方は下記リンクをご覧ください。
まとめ
今回実験を担当したキンバリー・フェン准教授によると「カフェインは、眠気を減らして気分を改善させてくれます。しかし睡眠不足が解消されたように感じても、より複雑な仕事のパフォーマンスは低下してしまうのです。これが、睡眠不足が非常に危険である理由の1つです」と述べています。
カフェインを摂取したことで目が冴え、脳の働きもいつも通り働いていると錯覚するのが危険だということです。
特に怖いのは、長距離バスやトラックの運転手や、外科手術をする医師などがこのような錯覚をし勤務に就くと事故の原因にもなりかねません。
また、従来睡眠は「脳の休息」と言う意味しかないと思われていましたが、最近ではもっと様々な役目を持っていることがわかってきているそうです。
脳の神経細胞に蓄積したゴミを掃除したり、複雑になりすぎてしまった神経細胞のネットワークを刈り込んで、より効率よく活動できるようにしたりすることです。
起きている時間に、効率よく仕事をしたり勉強をしたいのであれば日ごろからしっかりと睡眠をとることが何よりも大事なのかなと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。